芸能

35歳になった佐藤かよ「トランスジェンダーの“明るい未来”を皆さんに見せられたら…」笑顔で語る「半生とこれから」

cap

トランスジェンダーの当事者として、今伝えたいこととは…

「トランスジェンダーがどんな事件起こしたとしても、トランスジェンダーが悪いんじゃありません。その人が悪いことをしたのです」──トランスジェンダーに対する世間のバッシングが激しかった2023年5月、モデルでゲーマーの佐藤かよは自身のTwitter(現X)にそう投稿した。佐藤自身、当事者として生きる中で、世間の無理解や偏見に苦しんできた。そんな佐藤が今、伝えたいこととは何か。旧知の編集者の小林久乃氏が聞いた。【前後編の後編。前編から続く】

 * * *
 佐藤かよの過去10年間ほどは息をつく暇もなく、目まぐるしかった。地上波テレビでの性同一性障害の告白。女性としての見た目の美しさと性別とのジェンダーギャップに、多くのメディアが彼女に注目した。

 一方で、彼女はどこかに息苦しさがあったと語る。その答えを求めるように、ニューヨーク、ロサンゼルス、フランス、タイと諸外国を渡り歩いた。そこで各国でのLGBTへの対応の違いを感じ、時には悩みもした。最終的に韓国に住まいを決めて、得意のゲームで解説者になった。新型コロナのパンデミックによって帰国を余儀なくされ、現在は日本で再びタレントとしての活動を始めている。

cap

2010年にテレビ番組でカミングアウト以降、目まぐるしい日々を送った

「ずっと日本にいて、それから海外でいろいろな経験をして、人間関係の困難もあって……。日本にいた頃よりも、ずっと“人をよく見る”ようになりました。

 海外へ出かけたから順風満帆なわけではなくて、嫌な思いもしましたよ。一応、大人ですからね(笑)。交際した人もいたし、私に好意を持ってデートに誘ってくれた人もいた。でもトランスジェンダーであることを伝えると、その場で去っていく男性もいました。

 あとは……私がいない場で、私の性別について噂話をしていた人も。その人は周囲にプチサプライズをしたかったんでしょうね。でもその瞬間に『あ、この人は私の人生に必要のない人だ』と、関係を断ち切ることができるようになりました。それが“人を見る”ということかな」

 彼女がトランスジェンダーであることを告白した2010年頃は、日本国内には性自認の問題に対する理解や認知が今と比べてまったく足りていなかった。あれから時を経て、彼女の目から見た今の日本はどんなふうに映っているのだろう?

「ニュースを見ていると『2023年の今、その価値観で論争をしているの?』と目を丸くすることがよくあります。例えば渋谷区の公衆トイレ問題。男女共用トイレを見た渋谷区議会議員がSNSで『渋谷区としては女性トイレをなくす方向性』と発信して議論が巻き起こりました。または『同性婚を認めたら少子化が続く!』との声が多く挙がること。なかには『トランスジェンダーみたいな、おかしな人を許しません!』という声も聞くことがあります。

 こうした議論を見るたびに、政治の場や公共事業に関する仕事をしている人たちは、LGBTの問題に興味がないんだろうかと、切なくなることもあります。見ている世界の落差があまりにも大きすぎるなって」

cap

「見ている世界の落差が大きい」と感じることも

関連記事

トピックス

(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン