芸能

『男はつらいよ』の大ファン・山口良一が語る“最も印象的なマドンナ” 寅さんと“あわや結婚”八千草薫が演じた千代の魅力

『男はつらいよ』シリーズの大ファンであるタレントで俳優の山口良一

『男はつらいよ』シリーズの大ファンであるタレントで俳優の山口良一

 年末年始に観る国民的映画といえば『男はつらいよ』シリーズだろう。同シリーズは渥美清さんが演じる車寅次郎、「フーテンの寅」さんが、毎回、出会った女性に恋しては失恋するのがお約束だった。寅さんが恋する女性「マドンナ」には多くの魅力的なキャストが出演している。『男はつらいよ』シリーズの大ファンであるタレントで俳優の山口良一に、最も印象的なマドンナについて聞くと、第10作『寅次郎夢枕』(1972年)に登場した再会した幼なじみの千代(八千草薫)だという。同作品とマドンナ・千代の魅力について、山口が語った。

 * * *
 それまで映画を観てこなかった私に、映画の楽しさを教えてくれたのが寅さんでした。1974年に上京して少し経った頃、初めて観た映画が『男はつらいよ』でした。

『男はつらいよ』は、寅さんに好きな人ができて、でも結局振られるというのが定番のパターンです。私も中学、高校と好きな女の子に告白しては玉砕してばかりでしたから、最初に作品を観た時からこれ以上ないほど寅さんに共感したわけです(笑)。「そこを頑張れば寅さんの恋は成就するかもしれないのに」と心の中で声援を送りつつ、自分に重ね合わせながら夢中で観ていました。

 ところが第10作『寅次郎夢枕』で八千草薫さんの演じた千代さんは、シリーズでは珍しく寅さんとの結婚を真剣に考えたわけです。振られてばかりいる寅さんが、へたり込んで驚いた表情は見ものです(笑)。寅さんの話を、欄干を指でなぞりながらプロポーズと勘違いして恥ずかしそうに聞いている千代さん。何とも初々しくて可愛くて、素晴らしかったです。

 下町の女性を演じる八千草さんも珍しかったのですが、上品な香りが際立って印象的でした。寅さんがあわや結婚というところまでいった、シリーズでは珍しいマドンナといえます。

 もし2人が結婚していたら? まあ、寅さんは千代さんを大切にすると思いますが、結局はうまくいかなかったでしょうね(笑)。

■第10作『男はつらいよ 寅次郎夢枕』(1972年)
 幼馴染の千代(八千草薫)に再会し、ひと目で恋に落ちた寅だったが、岡倉(米倉斉加年)も千代に好意を寄せていると知ると、2人の間を取り持とうとするのだった。

【プロフィール】
山口良一(やまぐち・りょういち)/1955年生まれ、広島県出身。1981年にテレビ『欽ドン! 良い子悪い子普通の子』のヨシ夫役でブレイク。以降、司会や俳優など幅広い分野で活躍している。

※週刊ポスト2024年1月1・5日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン