国際情報

米国に中南米ルートで密入国を図る中国人が急増 摘発者は「2年前の70倍」の2.4万人以上、背景に経済的苦境や政治的締め付け

米国に密入国しようとする中国人が急増した背景は?

米国に密入国しようとする中国人が急増した背景は?

 この2年間で、米国に密入国しようとする中国人が急増しており、米2023年度会計年度(2022年10月1日~2023年9月30日)で、中南米ルートでの摘発者数は2年前の2021年度の約70倍の2万4048人も達していることが明らかになった。

 中国では経済悪化による生活苦や若者の就職難のほか、習近平最高指導部による思想統制で政治的な締め付けが厳しくなっており、国外に逃避しようとする中国人が増えているという。米紙「ニューヨーク・ポスト」が報じた。

 米政府内で外国人の不法入国を取り締まる米国土安全保障省税関国境取締局の報告などによると、中南米ルートで米国に密入国しようとする中国人は、まずはエクアドルに入国し、陸路でアメリカと国境を接するメキシコに入ることが多いという。中国人はエクアドルの入国ビザを免除されているためだ。

 密入国者は、まず在米中国人の「共助組織」と事前に連絡をとり、交通費や宿泊費などを含めた費用約30万元~40万元(約600万円~800万円)を支払う。

 これとは別にエクアドルでの密入国ガイドへの「手当」も必要になる。ガイドはメキシコ・米国境のどこが米国境警備隊の監視が緩やかなのかを熟知しており「ガイド手当て」の相場は約1万ドル(約147万円)程度といわれる。もし値切るようなことがあれば、捕まりやすいような場所に連れて行くこともあり、中国人側は言われた額を支払っているという。

 しかし、米政府も警戒を強化しており、この2年間で摘発者数は激増している。米2021年度会計年度では中国人摘発者数はわずか323人だったが、2022年度は1970人となり、2023年度は約70倍に膨れ上がっている。これは、米政府がエクアドル当局などとの連携を深め、密入国ガイドから情報を引き出すなどして、頻繁に利用する国境ポイントに網を張っているためだという。

関連記事

トピックス

世界中を旅するロリィタモデルの夕霧わかなさん。身長は133センチ
「毎朝起きると服が血まみれに…」身長133センチのロリィタモデル・夕霧わかな(25)が明かした“アトピーの苦悩”、「両親は可哀想と写真を残していない」オシャレを諦めた過去
NEWSポストセブン
人気シンガーソングライターの優里(優里の公式HPより)
《音にクレームが》歌手・優里に“ご近所トラブル”「リフォーム後に騒音が…」本人が直撃に語った真相「音を気にかけてはいるんですけど」
NEWSポストセブン
キャンパスライフをスタートされた悠仁さま
《5000字超えの意見書が…》悠仁さまが通う筑波大で警備強化、出入り口封鎖も 一般学生からは「厳しすぎて不便」との声
週刊ポスト
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
エライザちゃんと両親。Facebookには「どうか、みんな、ベイビーを強く抱きしめ、側から離れないでくれ。この悲しみは耐えられない」と綴っている(SNSより)
「この悲しみは耐えられない」生後7か月の赤ちゃんを愛犬・ピットブルが咬殺 議論を呼ぶ“スイッチが入ると相手が死ぬまで離さない”危険性【米国で悲劇、国内の規制は?】
NEWSポストセブン
1992年にデビューし、アイドルグループ「みるく」のメンバーとして活躍したそめやゆきこさん
《熱湯風呂に9回入湯》元アイドル・そめやゆきこ「初海外の現地でセクシー写真集を撮ると言われて…」両親に勘当され抱え続けた“トラウマ”の過去
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
「身内にゆるいねアンタら、大変なことになるよ!」 斎藤元彦兵庫県知事と「merchu」折田楓社長の“関係”が県議会委員会で物議《県知事らによる“企業表彰”を受賞》
NEWSポストセブン
笑顔に隠されたムキムキ女将の知られざる過去とは…
《老舗かまぼこ屋のムキムキ女将》「銭湯ではタオルで身体を隠しちゃう」一心不乱に突き進む“筋肉道”の苦悩と葛藤、1度だけ号泣した過酷減量
NEWSポストセブン
横山剣(右)と岩崎宏美の「昭和歌謡イイネ!」対談
【横山剣「昭和歌謡イイネ!」対談】岩崎宏美が語る『スター誕生!』秘話 毎週500人が参加したオーディション、トレードマークの「おかっぱ」を生んだディレクターの“暴言”
週刊ポスト
“ボディビルダー”というもう一つの顔を持つ
《かまぼこ屋の若女将がエプロン脱いだらムキムキ》体重24キロ増減、“筋肉美”を求めて1年でボディビル大会入賞「きっかけは夫の一声でした」
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン