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台湾市民の67%が「自分は中国人ではなく台湾人」と認識 若い世代や女性が高い傾向、「正真正銘の中国人」の回答は3%

台湾市民で「自分は正真正銘の中国人」と思っている人は少ない(写真:イメージマート)

台湾市民で「自分は正真正銘の中国人」と思っている人は少ない(写真:イメージマート)

 米国の独立調査機関「ピュー・リサーチセンター」は1月16日、台湾の世論調査を発表した。それによると、台湾の市民のうち「中国大陸の中国人と同じく、自分は正真正銘の中国人」と思っている人は全体の3%しかいないことが明らかになった。

 全体の67%は「自分は台湾人」と答えており、「台湾人であり、中国人でもある」との回答は28%、無回答が2%だった。調査は台湾総統選挙前の昨年6月~9月に電話で実施されており、回答者数は2277人。ロイター通信が伝えた。

 この調査では、35歳未満の成人の83%は「台湾人」と答えており、若い世代はほとんどが、自分は台湾人と認識していることが分かった。

 一方、性別では女性の72%が「台湾人」と答えており、男性の63%に対し、女性の方が「自分は台湾人である」と思っている傾向が強い。

 1月に行われた総統選挙では、独立志向が強い民主進歩党(民進党)の頼清徳候補が、親中色の強い国民党の侯友宜候補を破った。頼氏は約558万票に対して、侯氏は約467万票で、頼氏が侯氏に約90万票の差をつけて当選した。

 これを調査結果と比べてみると、台湾ではアイデンティティと政治が密接に結びついており、自分を台湾人だと考えている人々は民進党に同調する傾向が強く、逆に自らを「中国人でもあり、台湾人」、あるいは「中国人」と思っていると答えた人は国民党寄りといえそうだ。

 このほか、「中国という国にどれくらい愛着を感じるか」という質問では、全体の11%が「とても思い入れがある」と答えているが、32%は「まったく愛着がない」と回答した。

 その一方で、全体の約80%が「中国の軍事力と影響力が台湾にとって大きな脅威」とみなしており、これは年齢層や政治的立場を問わず全体的に共通していた。

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