芸能

オバ記者(66)が八代亜紀さんの訃報をきっかけに考えたこと「時間があると余裕ぶっこいていたら突然ゲームオーバーになる」

(時事通信フォト)

重なる訃報に“オバ記者”こと野原広子が考えたことは(時事通信フォト)

 多くの著名な音楽関係者が亡くなった2023年。訃報が届くたびに、自らの人生を振り返ったという人も少なくないだろう。『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子は、八代亜紀さんの訃報をきっかけに、“余命”について考えたという。オバ記者が綴る。

 * * *
 もしかして私はものすごく大きな思い違いをしていたんじゃないか? 最近、そんなことばかり思っている。それは平均寿命と自分の残り時間のこと。

 厚労省が昨年発表した日本人の平均寿命は、女性は87.09才で男性は81.05才。ちょっとだけ前年を下回ったとはいえ平均寿命は確実に延びていて、「人生100年時代」はもう目の前。てことは、66才の私はあと30年はいける、と何の疑問もなく思っていたんだよね。

 そりゃあ、一昨年の秋に「卵巣がんの疑い」で大手術をしたときはカウントダウンの音を聞いた気がしたのよ。でも手術の結果、がんでないことがわかるとまたまたいつものケセラセラ。

 それが、「あれ?」と思ったのは、昨年秋の谷村新司さんの死よ。74才だったそうだけど、高校生のとき、布団の中にトランジスタラジオを持ちこんで深夜放送を聴いていた私にとっては永遠のお兄さんよ。ほかにも昨年は音楽関係者の訃報が相次いだ。坂本龍一さん(享年71)、もんたよしのりさん(享年72)。

 さらに今年になって八代亜紀さん(享年73)が鬼籍に入ってたって聞いたときは一瞬、何が起きたかわからなかったもんね。そういえば昨年のNHK紅白歌合戦で名前が出なかったなとか、最後に出場したのっていつだっけ?とか……混乱した頭でニュースをググると、しばらく前から膠原病を患っていたそう。

 実は私、八代亜紀さんとはちょっとしたご縁があったんだよね。

 話は43年前にさかのぼる。当時、某テレビ局の外郭団体の職員と知り合いで、その彼がテレビ局がらみのイベントの仕事をしていたんだわ(ちなみに、その彼と後に結婚して離婚した)。で、彼の先輩が子供向けの人形劇の巡回イベントを企画していたんだけど、どうしたことか巡り巡って私に「脚本、頼めない?」って、いま思えば乱暴な話よ。私は週刊誌のライターになり立てで脚本なんか書いたことがない、と一旦は断ったはずなのに、台本をドンと持って来られて、「だいたいこんな感じで書いて」って。

 根がいい加減なせいか、見よう見まね。どうにか仕上げたけれど、その台本で人形劇一座が地方のデパートを回り始めたと聞いても、私は聞こえないふり。おっかなくて見られたものじゃないわよ。だけど、そういうときに限って話がでかくなるんだね。地方回りをしていた一座が、好評につき東京のホテルで凱旋帰京公演をすることになったと聞いたときは耳をふさいだっけ。イベント会場に行くには行ったものの、やっぱりおっかなくて、私は見ていない。

 私がそのイベントで見たのは、八代亜紀さんが輝くばかりの笑顔で歌う『雨の慕情』と、私の太ももと同じくらいのウエスト。それを私は最前列で見上げていたっけ。そのときのことを「昨日のことのよう」とは言わない。でも実感としては「数年前のことのよう」なんだよね。

関連キーワード

関連記事

トピックス

サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
皇室に関する悪質なショート動画が拡散 悠仁さまについての陰謀論、佳子さまのAI生成動画…相次ぐデマ投稿 宮内庁は新たな広報室長を起用し、毅然とした対応へ
女性セブン
定年後はどうする?(写真は番組ホームページより)
「マスメディアの“本音”が集約されているよね」フィフィ氏、玉川徹氏の「SNSのショート動画を見て投票している」発言に“違和感”【参院選を終えて】
NEWSポストセブン
スカウトは学校教員の“業務”に(時事通信フォト)
《“勧誘”は“業務”》高校野球の最新潮流「スカウト担当教員」という仕事 授業を受け持ちつつ“逸材”を求めて全国を奔走
週刊ポスト
「新証言」から浮かび上がったのは、山下容疑者の”壮絶な殺意”だった
【壮絶な目撃証言】「ナイフでトドメを…」「血だらけの女の子の隣でタバコを吸った」山下市郎容疑者が見せた”執拗な殺意“《浜松市・ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
連続強盗の指示役とみられる今村磨人(左)、藤田聖也(右)両容疑者。移送前、フィリピン・マニラ首都圏のビクタン収容所[フィリピン法務省提供](AFP=時事)
【体にホチキスを刺し、金のありかを吐かせる…】ルフィ事件・小島智信被告の裁判で明かされた「カネを持ち逃げした構成員」への恐怖の拷問
NEWSポストセブン
2人は互いの楽曲や演技に刺激をもらっている
羽生結弦、Mrs. GREEN APPLE大森元貴との深い共鳴 絶対王者に刺さった“孤独に寄り添う歌詞” 互いに楽曲や演技で刺激を受け合う関係に
女性セブン
「情報商材ビジネス」のNGフレーズとは…(elutas/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」は“訴えれば勝てる可能性が高い”と思った》 「情報商材ビジネス」のNGフレーズは「絶対成功する」「3日で誰でもできる」
NEWSポストセブン
入団テストを経て巨人と支配下選手契約を結んだ乙坂智
元DeNA・乙坂智“マルチお持ち帰り”報道から4年…巨人入りまでの厳しい“武者修行”、「収入は命に直結する」と目の前の1試合を命がけで戦ったベネズエラ時代
週刊ポスト
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン