では、伊藤氏の名前を使って会費の振り込み口座を開設したのは誰なのかという問題が生まれるが、岸田首相の答弁でそれに岸田事務所が関わったことがわかった。会費の収入と支出など「祝う会」パーティーの経理を岸田事務所が把握、コントロールしていた疑いがさらに濃厚になった。
■「任意団体が主催した会」だとしても政治資金規正法違反
大西代議士が、「祝う会」パーティーについて、「ダミー団体を使った、いわゆる“岸田方式”のパーティーをやっていいなら、みんな闇パーティーをやり放題になる。違法でないなら脱法パーティーだ」と指摘すると、首相はこう開き直った。
「これは地元の政財界のみなさんが集まって結成した任意団体が主催した会であります。収益が1000万円を超えるものでもありません。法に従って行った会であると認識をしております」
しかし、「法に従って行った会」という主張にはいくらなんでも無理がある。
政治資金規正法では、任意団体の主催であっても、収入が1000万円を超える見込みだとわかった段階で総務省か都道府県の選挙管理委員会に「政治団体」として届出し、たとえ結果的に収入が1000万円未満であっても、その任意団体(みなし政治団体)がパーティー開催から3か月以内に政治資金収支報告書を提出しなければならないと定めている。違反すれば「5年以下の禁錮又は100万円以下の罰金」が科せられるのだ。
岸田首相は国会答弁で”墓穴”を掘った。さらなる説明責任を果たさなければならない。