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朝ドラ『ブギウギ』で田中麗奈が熱演する「ラクチョウのおミネ」 モデルは“ラクチョウのお米”で100人以上の女性のまとめ役だった

『ブギウギ』で田中麗奈が演じる“ラクチョウのおミネ”に注目(Imaginechina/時事)

『ブギウギ』で田中麗奈が演じる“ラクチョウのおミネ”に注目(Imaginechina/時事)

 NHKの朝ドラ『ブギウギ』に田中麗奈(43)が演じる強烈なキャラクターが登場した。ヒロイン・スズ子(趣里、33)に「あんた、好きでもない男に抱かれたことあんのかい?」と凄んだ、有楽町界隈を取り仕切る“ラクチョウのおミネ”だ。

 スズ子のモデルとなった笠置シヅ子にも、夜の女たちとの交流があった。その代表格が“ラクチョウのお米”である。『ブギの女王・笠置シヅ子』の著者でノンフィクション作家の砂古口早苗氏が語る。

「戦後の焼け野原となった日本では、路頭に迷った女性たちがGHQ本部に近い有楽町や銀座などの繁華街に集まり、進駐軍の米兵たちを相手に体を売るようになった。彼女たちは『パンパン』と呼ばれ、世間から蔑まれていた。ラクチョウのお米さんは、そんな有楽町界隈の女性たちのまとめ役で100人以上の子分がいたとされています」

 そうした女性たちから笠置は熱狂的な人気を集めていた。「東京ブギウギ」が大ヒットした1948年に、笠置が雑誌のインタビューで「パンパンガール」について訊かれ「あの生一本な純情なところを見ると、あの人たちは決して悪い人たちじゃないと思いますよ」と述べたことも一因だ。

「スター歌手が自分たちに寄り添った発言をしてくれたわけですから嬉しかったはずです。また、笠置さんは出産後すぐにステージ復帰し、赤ん坊を職場の日劇に連れて行っていた。笠置さんが楽屋でステージ衣装を着たまま娘さんを抱っこしている写真が新聞に掲載されて話題になったんです。娼婦たちは幼い子供を抱えたシングルマザーも多かったので共感を覚えたはずです」(砂古口氏)

 女性たちが一方的にファンだったわけではなく、シングルマザーの笠置も彼女たちに共感し、積極的に交流したという。

「笠置さんはよく自宅で娘さんの誕生日パーティーを開いていて、服部良一さんやエノケン(榎本健一)さんなど多くの関係者と一緒に有楽町の女性も10人ほど招いたそうです。そうしたところにも笠置さんの“義侠心”の強い人間性が表われています。1960年代にお米さんが病死した時は、笠置さんが駆け付けて枕元で涙を流したそうです。

『ブギウギ』で田中さんが演じるおミネさんは、これからスズ子とどのように心を通わせていくのか楽しみですね」(同前)

※週刊ポスト2024年3月1日号

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