治療はテストステロン補充療法(ホルモン注射)が一般的だ。何らかの更年期症状があり、血液検査によるフリーテストステロン値が8.5pg/ml以下の場合にはテストステロン補充療法が適応となる。
「うつ症状がある方の場合、それがうつ病なのか更年期障害なのか、診断が難しかったりします。そこでテストステロン補充療法を行ない、症状が改善されたら更年期障害だと診断がつくケースもあります」(伊勢呂理事長)
治療はこの他、漢方薬やサプリメントなどを用いて総合的に行なう。加えて生活習慣の改善や食事指導、運動を継続することで症状の改善を目指していく。
近頃、ダルい、汗が止まらない、毎日が楽しくない、性欲が落ちているようだ……と感じているならば、それはきっと、加齢のせいに違いないといった思い込みの自己診断は余計に症状を悪化させてしまうだけ。
まずは恥ずかしがらずに健康診断の延長のひとつとして泌尿器科を受診し、テストステロン量を測ってみてほしい。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2024年3月1日号