2018年に開設された「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」の1期生である西郷真央
今、ジャンボはほとんどの時間をジャンボ軍団専用練習場で過ごしている。早朝、敷地内をカートで回り、芝をチェック。門下生のために、自ら毎日のように芝の整備を行なう。
アカデミーのスタッフがジャンボの1日を明かした。
「早朝から練習しているアカデミー生がいれば、遠くから黙って見ていますね。気がついたことがあれば、一言だけアドバイスする。基本的に教えるのではなく、“気づかせる”なんです」
時間ができると作業場にこもり、アカデミー生だけでなく、プロの門下生のための練習器具を作る。原英莉花をはじめ、各選手のプレーの特徴や体格に合わせた手作りだ。
外出するのは、素振り棒などの練習器具の資材を購入するために、ホームセンターに足を運ぶくらいだという。一昨年のセレクションの時はこう語っていた。
「朝起きる時間も、寝る時間も決まっているんだもの。寝る時は間違いなく夜9時20分。その時間が来るのが楽しみで、テレビを見ていて“まだ来ないのか”と思うよ」
今年も日常について尋ねてみるとジャンボは「オレのことはいいんだよ、放っておいてくれる?」と冗談めかしながらも、今後の目標についてはこう答えた。
「目標? オレにはないよ。できるだけいい環境で、子供たちに練習してもらいたいだけだね。ほかの楽しみといえば、週に1回、フグを食べること。若い子の活躍以外に楽しみなんて、それくらいしかないんだよ。オレの人生なんてほとんど終わっているんだから。ただ、終わるまでにいいものは見たいよ。だから、最後にうちの子たちが頑張っている姿を見られるのは悪くないね」
(後編につづく)
※週刊ポスト2024年3月8・15日号