芸能

【TARAKOさん・哀悼秘話】 大嫌いだった自分の声に自信が持てるようになった『ちびまる子ちゃん』、一方で「まる子しかできない」と悩んだ時期も

役者仲間に囲まれるTARAKOさん(オフィシャルブログより)

まる子ははまり役だった(オフィシャルブログより)

 国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』の声優でマルチタレントのTARAKOさんが急逝した。高校卒業後に専門学校の声優科に進み、そこで『サザエさん』のタラちゃんに雰囲気が似ていることから「タラ」というニックネームを付けられたTARAKOさん。声優の仕事で食べていくまでには多くの苦労があったが、ついに掴んだのがご存知『ちびまる子ちゃん』の仕事だった。【前後編の後編。前編を読む

 彼女の人生を大きく変えた『ちびまる子ちゃん』の放送がスタートしたのは1990年。声優の仕事を始めてから10年目の大抜擢だった。

「TARAKOさんのユニークで温かみのある語り口は瞬く間に評判を呼び、1990年10月には番組平均世帯視聴率が39.9%を記録しました。1977年以降に放送されたアニメ番組では最高記録で、いまだに破られていません」(芸能リポーター)

 国民的アニメの主役となったTARAKOさんの知名度も全国区になった。世間はまだバブル景気に沸いていた時代だったが、当時の彼女は月給制だった。

「本人いわく、給料は“OLくらい”。ブレークで昇給したものの推定月給が30万円と報じられたこともありました。その後、まる子人気の影響で声優以外の仕事が一気に増え、ギャラは歩合制となり大幅アップ。バラエティー番組にイベントに引っ張りだこで、ドラマに出演してキスシーンを演じたこともありました」(前出・芸能リポーター)

 まる子のおかげで、以前は“大嫌いだった”自分の声にも自信が持てるようになったという。

 当初は2クール、半年で終わるといわれていた『ちびまる子ちゃん』は2年続く人気番組となったが、1992年に一旦終了。世間の「TARAKOさん=まる子」というイメージが強く、「まる子しかできない」と悩んだ時期もあったという。3年後に再開するまでの間にTARAKOさんは演劇にも力を入れ、紀行番組のナレーションや美術番組のリポーターにも挑戦した。

 堅い仕事をしたことがなく不安を抱えていた彼女に「チャンネルを変えそうになる人を、TARAKOのナレーションで止めてほしい」と言って励ましたのが放送作家の田代裕氏だった。

「TARAKOさんは非常に器用なかたで、こんなニュアンスでどうですか?って言うと、すぐにスイッチを切り替えて巧みな読みで表現してくれるんです。TARAKOさんに任せれば大丈夫だという絶対的な信頼感がありました。ぼくは、彼女はナレーションや声の仕事の天才だと思っています」(田代氏)

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン