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【大阪桐蔭・西谷浩一監督】“実力を見極め、口説いた子は手放さない”育成術 ライバル校監督も舌を巻く“非凡な選手で平凡な野球をする”横綱相撲

大阪桐蔭の野球をライバル監督はどう見ているのか(西谷浩一監督)

西谷監督が育成術を語る──一方で、ライバル監督の目に映る“非凡な選手で非凡な野球”とは(写真は西谷監督)

 3月18日に開幕した選抜高校野球大会で注目されるのが、甲子園の歴代最多勝利に「あと1勝」に迫る大阪桐蔭の西谷浩一監督(54)だ。これまで春12回、夏10回の甲子園出場で13敗しかしておらず、優勝8回、勝率8割超えという驚異の実績を誇る西谷監督。ライバル監督はその野球をどう見ているのか? ノンフィクションライターの柳川悠二氏がリポートする。【全3回の第3回。第1回から読む】(文中敬称略)

 * * *
 西谷は勧誘の際、中学生が思い描く未来に耳を傾け、意見が合致しなければ“撤退”することもある。横浜DeNAの松尾汐恩の同級生で、天理高校からドラフト5位で阪神に入団した戸井零士がそのひとり。

「松尾をショートで育てるつもりだったので、戸井君には『サードかセカンドで使いたい』と伝えました。ところが、本人は『ショートをやりたい』と。私は嘘を言ったり、起用法を誤魔化してまで選手を獲りたくない。戸井君がそういう意向なら仕方ないと諦めました」

 こうして一学年約20名の精鋭が選ばれると、公式戦のない期間は、全部員平等にプレー機会を与えて競争を促す。

「秋の大会後はできるだけ平等に、野手なら一定の打席に立たせ、投手なら一定のイニングを放らせます。機会を確保するために、一日に2箇所で試合をする日もある」

 控えメンバーが挑む通称「B戦」では、対戦校に了承を得た上で、“特別ルール”も採用する。

「あくまで育成の場なので、打席数を確保するために10人の打線にして、DHの選手をふたり入れることもあります」

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