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元妻の前田敦子

 なかでも近年、好感度を上げているのが、前田さんとのほほ笑ましい子育てエピソード。3年前に離婚しながらも、むしろ関係性が良化し、多くのエピソードが語られるようになったことが制作サイドと視聴者の両方を引きつけています。

 さらに勝地さんがトーク番組から求められる理由となっているのが、幅広い交友関係。実際、『おしゃれクリップ』では山田孝之さんがサプライズ出演し、『ドーナツトーク』では小栗旬さんとのエピソードが披露されるように、勝地さんは同年代俳優を中心に先輩、後輩も含めた幅広い交友関係で知られ、仲間から愛されている様子が伝わってきます。

 制作サイドにしてみれば、「勝地さんの好感度に加えて友人俳優とのエピソードで視聴率獲得が期待できる」ということ。しかも勝地さんはメインゲストとして出演しているにもかかわらず、自分を小さく見せつつ、友人たちを持ち上げるような形で笑いにつなげる話術を持っています。

業界内で期待される連ドラ主演

 そもそも俳優のバラエティ出演は番宣目的がほとんどで、「セリフのないバラエティは苦手」「トーク番組は不安」という人も少なくありません。また、俳優のインタビューをしていると、「グループのトーク番組に出演したとき、他のタレントたちに圧倒されてしまった」「自分はトークが全然ダメでうまくなりたい」という話をよく聞きます。

 その点、勝地さんは番宣出演の俳優とは一線を画すトーク力が期待できるのが強み。事実、勝地さんはそのテレビ局で放送されているドラマではない舞台などの番宣出演も多く、純粋にトーク力が期待されていることがわかるでしょう。

 そんな勝地さんだからこそ業界内で期待されているのが連ドラ主演。勝地さんはこれまで助演としての出演がほとんどで、2020年1月3~5日の23時台に3夜連続放送されたドラマ『破天荒フェニックス』(テレビ朝日系)でようやく連ドラ初主演を果たしました。しかし、いまだに1クールの連ドラ主演はなく、演技力の評価はもちろん知名度や好感度が上がった今だからこそ期待の声があがっているのです。

 はたして勝地さんは阿部サダヲさんやムロツヨシさんなど、助演として実績を積み重ねながら、バラエティではトーク力で笑いを取って好感度を上げ、主演俳優に登り詰めた先輩たちに続けるのか。今回のトーク番組同日出演を見る限り、その時は確実に近づいているのは間違いないでしょう。

【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

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