芸能

【荻野目洋子“40周年”を振り返る】知名度が上がるにつれ、心は疲弊していった…「正直、記憶がまったくないんです」

1986年「日本レコード大賞」金賞受賞時。これ以降4年連続受賞

1986年「日本レコード大賞」金賞受賞時。これ以降4年連続受賞

 去る2月、荻野目洋子のデビュー40周年の開幕を告げるスペシャルライブが東京・渋谷で開催された。「記念イヤーは突っ走りたい」と話す彼女。ただ、40年の中には辛い時期もあった。【全3回の第2回。第1回から読む

「全国ツアーで1日2ステージをこなし、それが終わるとレコーディング、ドラマ、雑誌などの取材……。当時はテレビの歌番組もたくさんあって、何をやっていたのか、正直、記憶がまったくないんです(笑い)。当時のアイドルは皆、同じ状況だったと思います」(荻野目洋子・以下同)

 しかし、知名度が上がるにつれ、心は疲弊していった。

「特に、『ダンシング・ヒーロー』後の3〜4年間は、常にプレッシャーとの闘いでした。この世界はドラマなら視聴率、映画なら興行成績と、必ず数字で評価されます。それは当然のことですが、『前作より○枚売り上げが落ちた』『お客さんが○人しか入らなかった』とネガティブなことを言われ続けると、楽観的な私でも自分を否定されたような気持ちになり、相当落ち込みました」

 気持ちを発散させる術を知らず、孤独に悶々と過ごしたという。

「体調を崩し、一時期思うように声が出なくなってしまった。当時はSNSもなく、日記に思いを綴るくらいしかありませんでしたが、それすらできないほど疲れ切ってしまって」

 いつも明るい“荻野目ちゃん”をテレビで見ていただけに、当時の思いを吐露した言葉は思いもよらず、心にズシリと響いた。どのように、つらい時期を乗り越えていったのだろう?

「22才の頃、同い年のヘアメイクのアシスタントさんと仲よくなったんです。彼女にはさまざまな職業の友達がたくさんいて、彼らと山登りやカラオケ、花火大会など、その年代の女性なら当たり前の遊びを体験し、一つひとつ発散の仕方を覚えていきました。『もっと楽に生きていいんだ』とわかってからは、徐々に気持ちも楽になり、仕事の浮き沈みも『なるようになるさ』と捉えられるようになっていきました」

 こうして、うまく気分転換できるようになっていった彼女は、クラブシーンの先端アーティストとのコラボなど、自ら行動することで広げた交友関係を仕事につなげたり、アイドルの枠を超え、大人の実力派シンガーとしての活動に重きを置くようになる。

 そして、2001年、33才のときに高校の同級生で元プロテニス選手の辻野隆三氏(55才)との結婚を発表。2002年に長女、2004年に次女が生まれたことから、2005年頃からは仕事を離れて育児に専念。その翌年に三女も誕生した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン