潮目が変わった柿沢未途の選挙買収事件
そしてこの3月14日、注目される判決が下った。柿沢未途・元法務副大臣の選挙買収事件で東京地裁が、有罪判決を言い渡した(確定)。
事件は昨年4月の江東区長選をめぐって、柿沢氏が「地盤固め」のために系列候補(木村弥生・前区長)を支援し、自民党区議など10人に合計約220万円を提供した行為が買収に問われた。柿沢氏は当初、資金提供は同日の区議選の候補への「陣中見舞い」と主張し、受け取った区議の一部も選挙運動費用収支報告書に柿沢氏からの20万円を「陣中見舞い」と記載したが、東京地検特捜部は柿沢氏や受け取った区議らを区長選に関する選挙買収容疑で起訴した。前出の岩井教授が言う。
「これまで当事者が陣中見舞いや政治活動費の寄附と主張すれば『培養資金』とみなされてセーフだったが、今回、特捜部は買収と判断して起訴した。政治資金収支報告書に『政治活動費』などと記載していても、票のとりまとめの意思が認定されれば、選挙買収で摘発の対象になりうると判断基準を転換したわけです」
後編では、2021年総選挙で地元への「バラ撒き額」が多い自民党議員ランキングを紹介する。
(後編に続く)
※週刊ポスト2024年4月12・19日号