国内

【選挙の年だけ多額の支出】自民党議員「地元バラ撒き」リスト 安倍派の西村康稔氏は17件1280万円、萩生田光一氏は72件833万円

西村氏

西村康稔氏は地元に17件・1280万円をバラ撒き(写真/共同通信社)

 自民党の裏金事件ではっきりわかったことは、彼らの異常なまでのカネ集めへの執着だ。なぜそこまでするのか──選挙のためだろう。選挙時に地元議員にカネを配って買収の罪に問われる議員も出てきたが、自民党有力議員の多くも、選挙の年に大金を地元にバラ撒いていることが判明した。【前後編の後編。前編から読む

35万円の“黒字”も

 本誌・週刊ポストは自民党有力議員の政治資金収支報告書を調査し、前回総選挙があった2021年に自身の選挙区がある都道府県内の地方議員(候補者を含む)の政治団体や支部、党の地域支部などにいくらの「政治活動費」を配ったかを分析した。この年は10月に衆院議員の任期満了を控え、年初から総選挙があることがわかっていた。

 そこで各議員の政党支部、資金管理団体、関係政治団体が1月から総選挙投開票日の10月31日までに寄附した額を集計。選挙のなかった翌2022年の1年分と比較して「選挙の年にどれだけ多かったか」がわかるようにした。

 掲載リストは額の多かった20人のランキングだ。

 1位は平井卓也・元デジタル相。2021年は59件、合計約1974万円を寄附した。総選挙がなかった22年は寄附が約616万円と大幅に減った。

 2位の棚橋泰文・元国家公安委員長は特定の団体への寄附額が突出していた。2021年は4月に棚橋氏の選挙区(岐阜2区)の大票田で大垣市長選が行なわれ、新人4人が出馬。棚橋氏は3月から4月にかけ、市長に当選した石田仁氏(元大垣市議)が代表の政治団体「希望あふれる大垣を創る会」に4回合計1350万円、「石田仁後援会」にも20万円の寄附をしていた。

 もっと露骨な配り方だったのが堀内詔子・元ワクチン担当相(3位)だ。2021年は総選挙が迫る9月27日から公示前の10月15日にかけて40の地域支部に1450万円を集中的に寄附したのに、翌22年は一転、地域支部への寄附はゼロだ(山梨県連への100万円のみ)。

 受け取った側はどう考えているのか。堀内氏の政党支部から160万円の寄附を受けた自民党都留市支部の代表(当時)を務めていた杉山肇・山梨県議が語る。

「買収ではないかと見る人がいるかもしれないが、それは受け止め方次第で色々な判断はあると思います。私はそうは思っていない。あくまで組織活動のために寄附をいただいたと理解しています」

関連キーワード

関連記事

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン