国内

「海外出稼ぎ」斡旋業者が逮捕 元出稼ぎ女性が語る日本ではありえない命の危険性

運営者が逮捕された風俗求人サイト「海外出稼ぎシャルム」のホームページ(時事通信フォト)

運営者が逮捕された風俗求人サイト「海外出稼ぎシャルム」のホームページ(時事通信フォト)

 かつて海外の娼館へと出稼ぎにいった女性たちは“からゆきさん”などと呼ばれ、明治末期には盛んに貧しい家庭の娘たちが売られていった。この歴史上の出来事だと思っていた日本人女性による“海外出稼ぎ”が、求人サイトによって復活していた。ライターの宮添優氏が、海外出稼ぎ経験者に体験を聞き、その仕事に潜む危険についてレポートする。

 * * *
「海外出稼ぎ」などと謳い、求人サイトを使って海外での売春を斡旋したとして、警視庁は4人の男を逮捕した。3人はおおむね容疑を認め、1人は「サイトは作ったが、売春の仕事募集とは思わなかった」と一部容疑を否認しているという。民放キー局社会部デスクは、やっと摘発に至った事案なのだと振り返る。

「男たちは、ネットで堂々と、海外で金を稼げると日本人女性を大々的に募集していました。ホームページは少なくとも2021年ごろに開設されたとみられ、およそ200~300人の女性を主に北米の業者に紹介。ホームページ以外から応募してきた女性も同数いるとみられ、3年間でおよそ2億円を得ているようです」(民放社会部デスク)

 男らが開設していたのは「海外出稼ぎシャルム」なるホームページで「エスコート」や「ソープ」などといったキーワードを散りばめ、仕事の内容が売春に他ならないことを表示していた。その上で3年間もの間、実に堂々と募集をかけていたのである。事情通の間では公然の事実であり、当局はなぜ摘発しないのかと言われていた。だからこその「やっと摘発」なのである。

「以前、アメリカなどに入国する際、渡航目的をやたら詳しく聞かれたり、入国を拒否され帰国を余儀なくされたという日本人女性が増えていると報じられました。当時は、単なる偶然ではないか、身なりが派手すぎたのではないかという意見もありましたが、少なくない日本人女性がどんな仕事をしようとして渡航しているのか海外当局も把握しており、今回の事件で、噂が事実だったと裏付けられた形です」(前出の民放社会部デスク)

 一部メディアには、この件の”被害者”とされる女性が登場、また、別のメディアに至っては、海外での売春により大金が得られると少なくない日本人女性が海外へ向かっている実情を伝えた。だがそれは、あくまでも斡旋業者が用いていた、募集のための謳い文句である。実際のところはどうなのか。

出稼ぎ先は香港、マカオから北米へ

「10年前だと、人気の出稼ぎ先は香港やマカオばかりでした。中国経済が絶好調で、中国でありながら本土よりも自由な経済活動ができる香港とマカオへ、日本人も含めたアジア人女性を”買う”目的で中国人富裕層、そして世界中から白人男性が大挙して押し寄せていました」

関連記事

トピックス

還暦を過ぎて息子が誕生した船越英一郎
《ベビーカーで3ショットのパパ姿》船越英一郎の再婚相手・23歳年下の松下萌子が1歳の子ども授かるも「指輪も見せず結婚に沈黙貫いた事情」
NEWSポストセブン
ここ数日、X(旧Twitter)で下着ディズニー」という言葉波紋を呼んでいる
《白シャツも脱いで胸元あらわに》グラビア活動女性の「下着ディズニー」投稿が物議…オリエンタルランドが回答「個別の事象についてお答えしておりません」「公序良俗に反するような服装の場合は入園をお断り」
NEWSポストセブン
志穂美悦子さん
《事実上の別居状態》長渕剛が40歳年下美女と接近も「離婚しない」妻・志穂美悦子の“揺るぎない覚悟と肉体”「パンパンな上腕二頭筋に鋼のような腹筋」「強靭な肉体に健全な精神」 
NEWSポストセブン
「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《還暦で正社員として転職》ビッグダディがビル清掃バイトを8月末で退職、林下家5人目のコンビニ店員に転身「9月から次男と期間限定同居」のさすらい人生
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された佳子さま(2025年8月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《日帰り弾丸旅行を満喫》佳子さま、大阪・関西万博を初訪問 輪島塗の地球儀をご覧になった際には被災した職人に気遣われる場面も 
女性セブン
鷲谷は田中のメジャーでの活躍を目の当たりにして、自身もメジャー挑戦を決意した
【日米通算200勝に王手】巨人・田中将大より“一足先にメジャー挑戦”した駒大苫小牧の同級生が贈るエール「やっぱり将大はすごいです。孤高の存在です」
NEWSポストセブン
侵入したクマ
《都内を襲うクマ被害》「筋肉が凄い、犬と全然違う」駐車場で目撃した“疾走する熊の恐怖”、行政は「檻を2基設置、駆除などを視野に対応」
NEWSポストセブン
山田和利・裕貴父子
山田裕貴の父、元中日・山田和利さんが死去 元同僚が明かす「息子のことを周囲に自慢して回らなかった理由」 口数が少なく「真面目で群れない人だった」の人物評
NEWSポストセブン
8月27日早朝、谷本将志容疑者の居室で家宅捜索が行われた(右:共同通信)
《4畳半の居室に“2柱の位牌”》「300万円の自己破産を手伝った」谷本将司容疑者の勤務先社長が明かしていた“不可解な素顔”「飲みに行っても1次会で帰るタイプ」
NEWSポストセブン
国内未承認の危険ドラッグ「エトミデート」が沖縄で蔓延している(時事通信フォト/TikTokより)
《沖縄で広がる“ゾンビタバコ”》「うつろな目、手足は痙攣し、奇声を上げ…」指定薬物「エトミデート」が若者に蔓延する深刻な実態「バイ(売買)の話が不良連中に回っていた」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
【美しい!と称賛】佳子さま “3着目のドットワンピ”に絶賛の声 モード誌スタイリストが解説「セブンティーズな着こなしで、万博と皇室の“歴史”を表現されたのでは」
NEWSポストセブン
騒動から2ヶ月が経ったが…(時事通信フォト)
《正直、ショックだよ》国分太一のコンプラ違反でTOKIO解散に長瀬智也が漏らしていたリアルな“本音”
NEWSポストセブン