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「悪い病院」「ひどい主治医」の見分け方 分野の異なる診療科を標ぼうするクリニックは要注意、やたら入院をすすめる病院も要警戒

(写真/PIXTA)

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「お医者さま」といえど、同じ人間で、“神様”ではない。あまりに過信していると、病気を治しに行っているのに命の危険にさらされることだってある。ハズレを引かないためには、どうすればいいのか──。それは、失敗しない見分け方を学べばいいだけ。替えてみる、その決断をするためのポイントを解説しよう。【前後編の前編。後編を読む

 私たちの命を救い、適切な処置をしてくれるはずの病院で医療ミスが相次いでいる──。

 3月26日、大阪大学医学部附属病院は50代男性患者を悪性腫瘍と誤診し、胃の一部を摘出する不要な手術を行ったと発表した。

 その4日前には、国立病院機構九州医療センターが裁判で約2億円の賠償を命じられている。不整脈の手術で寝たきりになった男性が病院に賠償を求め、第2審の福岡高等裁判所が病院側の過失を認めたのだ。

 昨年は神戸徳洲会病院でカテーテル治療後に複数の患者が死亡していることが発覚。同病院では糖尿病の入院患者に持病の薬が投与されず、命を落としていたことも明らかになっている。

「完璧な医療は存在しないことが可視化された結果」と厳しい目を向けるのは、医療経済ジャーナリストの室井一辰さんだ。

「病院や医師によって診断や治療内容が変わることは珍しくなく、アップデートされていない古いやり方だったり、間違った方法だったりするケースも決して少なくない。それは大学病院や総合病院、クリニックでも同じことです。

 だからこそ医療を全面的に信頼するのではなく、見極める目を養い、自分にとって“悪い病院”“ひどい主治医”だと思ったらフレキシブルに替えていくことが大事になります」(室井さん)

 では、何を基準にどう判断したらいいのか。いまあなたが通っている病院では絶対に教えてくれない「境界線」を専門家たちに明かしてもらった。

複数の科があるのに医師が1人は要注意

 まず知っておくべきは、かかりつけ医のような「クリニック」か、大きな病気にかかったときの「大病院」かで、チェックポイントは変わってくること。

 クリニックの場合、「内科」「皮膚科」などの看板に書かれた診療科名の内容に着目したい。「数が多ければいいわけではない」と話すのは、新潟大学名誉教授の岡田正彦さんだ。

「複数の科を掲げていながら、1人の医師だけで診察しているクリニックは避けたい。複数の専門医が在籍しているなら安心できますが、1人の医師が専門的に診察できる分野は限られます。内科や小児科、皮膚科、外科など分野の異なる診療科を標ぼうしているクリニックは、専門性に疑問を感じざるをえない。あまり専門的知識のない診療科名まで並べている可能性があります」(岡田さん・以下同)

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