スポーツ

元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化

伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方

伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方(時事通信フォト)

 元横綱・白鵬の宮城野親方のもとで起きた弟子の暴力問題。相撲協会による処分で宮城野部屋は当面閉鎖となり、親方と力士らは伊勢ヶ濱部屋に転籍した。所属力士が約40人に膨れあがり、寝食をともにする相撲部屋だけにすべての面で大きな変化が訪れることになるという。

 力士らの引っ越しが完了後、初の朝稽古は4時間半という超長丁場になった。力士らは昼までかかった稽古後に風呂に入り、その後にちゃんことなるが、伊勢ヶ濱部屋では1食のために炊く米の量が3升から6升に増えたという。協会関係者が言う。

「ちゃんこについては、相撲部屋それぞれで受け継がれてきた味や特徴がある。白鵬が師匠だった宮城野部屋はタニマチ(後援者)が太いため、肉や魚などの差し入れが多かった。ちゃんこが豪勢なことでは角界で一番だと言われてきました。それゆえ、転籍話が出た時には、受け入れ先候補となった別の部屋が“ちゃんこに自信がないから”と及び腰になっていたという話があるほど。今回の引っ越しの際にあたっては、宮城野部屋から約30キロの米袋が30ほど持ち込まれたといいます」

 相撲部屋は文字通り力士たちが寝食を共にする場だ。稽古など相撲に直接関係することだけでなく、生活のあらゆる面で変化が生じるので、トラブルも懸念もされる。

 1993年3月には、藤島部屋と二子山部屋が合併し、所属力士62人という今回を上回る大所帯の相撲部屋が誕生していた。元横綱・初代若乃花の二子山親方が定年を迎え、実弟である当時の藤島親方(元大関・貴ノ花)が「二子山」を襲名。もともとの藤島部屋が新・二子山部屋となったわけだが、部屋のおかみさんだった藤田紀子さんはこう振り返る。

「環境が大きく変わることがストレスにつながり、子供たち(弟子の力士たち)の間でイジメなどが起きないか、細心の注意を払っていました。もともとどちらの部屋の出身かで差別してはいけないから、(組み合わせを)ミックスして関取の付け人をさせたりもしました。旧・二子山部屋から来た力士たちはうちの親方の性格を知らないから、親方はいつも通り怒っただけでも、そこまで怒られた経験がないためにマジで落ち込んでしまう子もいました。本当に、いろんな苦労がありました」

関連キーワード

関連記事

トピックス

靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン