“夏の紅白”に出た宇多田ヒカル
母との別れと出産
椎名は宇多田不在の間に、NHK連続テレビ小説をはじめとしたドラマ主題歌や、2014年のサッカーブラジルW杯のNHK公式テーマソングを書き下ろすなど、表舞台で活動を続けてきた。
「椎名さんにとって宇多田さんは年下ながら、“オアシス”であり、“ポジティブで頼りになるお姉ちゃん”のような存在だったそうです。だからこそ、日本の音楽シーンからいなくなってしまった宇多田さんに対しては、愛憎のような複雑な思いを抱えることもあったのでしょう」(前出・音楽関係者)
椎名は宇多田にラブコールを送り続けた。2014年、宇多田の再婚の際には、自身のライブで宇多田の楽曲『traveling』をカバーし祝福した。椎名が宇多田の復帰を一心に待ち望む間、宇多田の人生に、大きな“事件”が起こった。2013年の母・藤圭子さん(享年62)の自死、そして2015年の出産だ。
「宇多田さんは2016年にアーティスト活動を再開させますが、子供の存在が大きな決め手になったそうです。椎名さんとは活動休止中にも音楽の話や私生活の話など、ざっくばらんにやり取りを重ねていて、復帰にあたり、子育てをしながら活動を続けてきた彼女の存在は励みになったようです」(前出・音楽関係者)
満を持して復帰した2016年、宇多田が手がけた仕事のひとつが、冒頭で披露された『二時間だけのバカンス』の制作だった。椎名を念頭において、宇多田が作詞作曲を行った楽曲だという。
「宇多田さんは、『母であり妻でもある2人だからこそ説得力の増す楽曲になるし面白い』と話していました。2人は平成を代表する歌姫であり、私生活では離婚とシングルマザーを経験しているという共通点もあります。いまなお第一線で輝くアーティストであり、親友でもある2人の現状にも重なるような背景が、この曲にはあるんです」(別の音楽関係者)
宇多田と椎名の間に、誰も入れやしない。
※女性セブン2024年5月2日号