古手川と田中の披露宴には800人が出席した(1986年)
もう働きたくない
離婚と同時期、古手川は女優業に不安を抱えていたという。
「“40代になると、演じられる役が少なくなってしまう”と、古手川さんは嘆いていました。女優業の先輩である十朱幸代さん(81才)や大原麗子さん(享年62)は40才を過ぎても主役を張り続けていましたが、古手川さんが同じ年齢になった頃は、20代の役者がドラマの中心になっており、古手川さんが希望する“大人の恋愛モノ”が制作されにくくなっていました」(前出・芸能関係者)
50代になると、母親役などで存在感を見せていた古手川だが、やがて、別の悩みに襲われるようになった。古手川の知人が明かす。
「彼女がよく出ていた『2時間ドラマ』の枠が減る中で、更年期障害に悩まされるようになり、体形の維持がかなりの負担になっていたようです。なんとかプロ意識でつないでいましたが、“そこまで無理をして続けるべきものなのか”と疑問を抱いてしまったこともあったそうです」
それでも、単発のドラマなどには出演を続けたが、前述したように、2016年を最後に表舞台から離れた。そして、今年2月、一人娘で女優として活動していた綾那(36才)が、芸能界からの引退を発表したことで、改めて古手川の“現在”が注目されることとなった。
「綾那さんはコスプレーヤーでもあり、YouTubeのゲーム実況もしていました。マイペースに仕事をされていたので、突然の引退宣言には驚かされましたね。一部では、“お母さんを看病するためでは”と、臆測で古手川さんの重病説まで広がってしまったのです」(前出・芸能リポーター)
にわかに多くの関係者が心配しはじめていた古手川の現状。母と娘が暮らす都内の自宅を訪ねると、古手川に代わって綾那が答えた。
「いまは母(古手川)と祖母の3人で一緒に暮らしています。母は芸能界を引退したわけではありませんが、気力も体力も衰えてしまったみたいで……。一般の人でも、ちょっと仕事に行かない日が続くと“もう働きたくない”って気持ちになってしまいますよね。それが少し長引いている感じです」
引退は否定し、体調についてはこう答えた。
「(更年期障害などの影響については)それはあったかもしれませんが、体は大丈夫です。家事も私と交互にやってますし。母は母で“いまはゆっくりしたい”という気持ちが大きいようです。趣味の時間がたっぷり取れますし、女3人だから暮らしやすいですしね。ですが気力が甦ったら、また表舞台に立とうと思うかもしれません」
古手川が没頭する趣味こそ、ガーデニングだという。前出の知人が語る。
「自宅の庭に、泥棒よけのバラを植えたことがきっかけで、長らくガーデニングにハマっています。“バラはきちんと愛情をかけて育てないときれいな花を咲かせてくれないの”と教えてくれました。土作りから剪定、植え替えまでひとりで行っているそうです。もともと多趣味な人でしたけど、仕事と距離を置いてからは、もう“庭一本”の生活のようです」
まだ64才。庭いっぱいに花が咲いた頃、再び私たちの前に姿を見せてくれるかもしれない。
※女性セブン2024年5月2日号
