岡田語録は戻ってきたが、各紙の内容には以前と大きな違いが

岡田語録は戻ってきたが、各紙の内容には以前と大きな違いが

各紙が一斉に「想定外」を訂正

 また、岡田監督には「アレ」「はっきり言うて」「そんなんお前」「そらそうよ」「お~ん」といった独特の口癖があり、各紙はそうした“岡田語”も盛り込んで試合後の発言を取り上げてきた。昨年は日本一になったこともあり、新語・流行語大賞の年間大賞に「アレ」が選ばれた。

 岡田監督の言葉が社会現象を巻き起こしたわけだが、今季の開幕後には異変が起きていた。スポーツ紙編集委員が言う。

「岡田監督の取材は、本人からオフレコと釘を刺されることがないから、そのぶん書く側の気配りが必要となる。1社でもそこを踏み外すと、その日の囲み取材がなくなるという事態が起きたりする。これまでは数日で復活していたのだが、今年の開幕後は深刻な事態に陥ってしまいました」

 4月6日付けの在阪スポーツ紙から「岡田語録」が姿を消すと、その状態が6カード以上も続いたのだ。前出のスポーツ紙デスクが説明する。

「4月4日、京セラドームでのDeNA戦後の囲み取材でのコメントが、岡田監督の発言と違う方向で書かれたということで、翌日から取材対応がなくなった。各社とも記者はICレコーダーで談話を記録しており、忠実に再現した記事になっていたが、球団側から正式に抗議もなく、何が問題かはっきりしないまま、取材対応なしの状況がズルズル長引いた」

 テレビカメラを前にしての監督インタビューのあとに行なわれる囲み取材は本来、マイクオフということでオフレコも含まれる。ただ、岡田監督は前述の通り「オフレコなし」を貫くため、その結果として今回の事態が起きたということのようだ。

 人気コーナーの岡田語録を再開させられず頭を抱えた各紙は、専属評論家や球団関係者を通じて岡田監督に真意を確かめたという。その結果、2カード連続で負け越したことを聞かれた岡田監督があくまで想定内というニュアンスで「ちょっと想定外。ちょっとやな」と答えたのを、各社が「想定外」と騒ぎ立てたことに対する意思表示だとわかった。

 各紙は4月23日の紙面で「序盤の苦戦は想定内」(スポニチ)、「想定外ではなかった岡田監督の真意」(サンスポ)、「想定外ではなく想定内の岡田監督の真意」(日刊スポーツ)、「消えた岡田監督語録、伝えたかった真実」(デイリー)と訂正の署名記事やコラムを掲載し、その日のDeNA戦の試合後から囲み取材が再開。翌24日の紙面で岡田語録が復活したわけだ。

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