国内

《抗争で死者14名》敵対していた九州暴力団「道仁会」「浪川会」トップ2人が突然の引退 直撃に明かした「引退後の生活」

5月29日大牟田署を訪れた浪川総裁(著者撮影、以下同)

5月29日大牟田署を訪れた浪川総裁(著者撮影、以下同)

 九州の指定暴力団である道仁会(福岡県久留米市)と浪川会(福岡県大牟田市)のトップが、突然引退を発表した。2組織は2006年から約7年間にわたって一般人1人を含む14人の死者を出す熾烈な抗争を行ない、一般人を恐怖に陥れた。不倶戴天の2組織のトップがなぜ同時に引退することになったのか。暴力団取材の第一人者・鈴木智彦氏がレポートする。
 * * *
 通常、暴力団組織の支配者は、終生トップの椅子に座り続け、死ぬまで引退しない。加えて両名とも、求心力を失って座を追われた訳でもない。身を引く必然がないのに絶頂期に引退する……30年近く暴力団取材を続けてきた私にも、ちょっと解せない事態だ。事実、こうした形の引退劇は、これまでの暴力団社会に類型がなかった。

 道仁会四代目・小林哲治会長は、業界きっての実力者だった。これまで何度も暴力団社会の難題を仲裁・取り持ちしてきた。

「組織と組織の間に立てる親分は限られている。実力が必須なのはもちろん、業界全体が認める実績が必要になる」(広域団体幹部)

 暴力団は「殺られたら殺り返す」という弱肉強食の掟を信奉している。実績とはすなわち抗争経験を意味する。喧嘩の出来ない親分はどこまでも舐められ、弱い暴力団には一切の発言権がない。

 道仁会の歴史は抗争の連続だ。そのため暴力団たちは道仁会を畏敬し、そのトップに時の氏神を託すようになった。

 一方の浪川会・浪川政浩総裁も、暴力闘争の渦中に生きてきた。最大の試練は道仁会との分裂抗争だったろう。

 2006年6月、道仁会の三代目人事を巡って村上一家や永石組らが離脱し、新団体である九州誠道会を立ち上げた。ほどなくして道仁会と誠道会は激しい抗争に突入する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ラーメン二郎・全45店舗を3周達成した新チトセさん
「友達はもう一緒に並んでくれない…」ラーメン二郎の日本全国45店舗を“3周”した新チトセ氏、批判殺到した“食事は20分以内”張り紙に持論
NEWSポストセブン
モデルのクロエ・アイリングさん(インスタグラムより)
「お前はダークウェブで性奴隷として売られる」クロエ・アイリングさん(28)がBBCで明かした大炎上誘拐事件の“真相”「突然ケタミンを注射され、家具に手錠で繋がれた」
NEWSポストセブン
風営法の“新規定”により逮捕されたホスト・三浦睦容疑者(31)(Instagramより)
《風営法“新規定”でホストが初逮捕》「茨城まで風俗の出稼ぎこい!」自称“1億円プレイヤー”三浦睦容疑者の「オラオラ営業」の実態 知人女性は「体の“品定め”を…」と証言
NEWSポストセブン
永野芽郁
《不倫騒動の田中圭はベガスでポーカー三昧も…》永野芽郁が過ごす4億円マンションでの“おとなしい暮らし”と、知人が吐露した最近の様子「自分を見失っていたのかも」
NEWSポストセブン
万博で
【日本人の3人に1人が栄養不良】大阪・関西万博で語られた解決の決め手とは?《キウイ60億食分を通じて、栄養改革プロジェクト進行中》
NEWSポストセブン
海水浴場などで赤と白の格子模様「津波フラッグ」が掲げられたら避難の合図。大津波警報、津波警報、津波注意報が発表されたことを知らせている(AFP=時事)
《津波警報中に目撃されたキケンな人たち》警戒レベル4の避難指示が出た無人海岸に現れたサーファーたち 「危ない」「戻れ」の住民の声も無視
NEWSポストセブン
中居正広
中居正広FC「中居ヅラ」の返金対応に「予想以上に丁寧」と驚いたファンが嘆いた「それでも残念だったこと」《年会費1200円、破格の設定》
NEWSポストセブン
「木下MAOクラブ」で体験レッスンで指導した浅田
村上佳菜子との確執報道はどこ吹く風…浅田真央がMAOリンクで見せた「満面の笑み」と「指導者としての手応え」 体験レッスンは子どもからも保護者からも大好評
NEWSポストセブン
石破首相と妻・佳子夫人(EPA=時事)
石破首相夫人の外交ファッションが“女子大生ワンピ”からアップデート 専門家は「華やかさ以前に“上品さ”と“TPOに合わせた格式”が必要」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
中村芝翫の実家で、「別れた」はずのAさんの「誕生日会」が今年も開催された
「夜更けまで嬌声が…」中村芝翫、「別れた」愛人Aさんと“実家で誕生日パーティー”を開催…三田寛子をハラハラさせる「またくっついた疑惑」の実情
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《秘話》遠野なぎこさんの自宅に届いていた「たくさんのファンレター」元所属事務所の関係者はその光景に胸を痛め…45年の生涯を貫いた“信念”
週刊ポスト
川崎、阿部、浅井、小林
女子ゴルフ「トリプルボギー不倫」に重大新局面 浅井咲希がレギュラーツアーに今季初出場で懸念される“ニアミス” 前年優勝者・川崎春花の出場判断にも注目集まる
NEWSポストセブン