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【ラーメン店経営の組長射殺】対立組織のヒットマン逮捕で見える「警察の狙い」山口組抗争再燃の可能性も

3つの殺人、殺人未遂の容疑がかかる金澤成樹若頭(撮影/鈴木智彦)

3つの殺人、殺人未遂の容疑がかかる金澤成樹若頭(撮影/鈴木智彦)

 6月7日、神戸市長田区のラーメン店店主だった六代目山口組中核組織・弘道会傘下組織組長が射殺された事件で、絆會若頭である金澤成樹容疑者をはじめ、計5人が逮捕された。

 金澤容疑者は長野県宮田村での殺人未遂、茨城県水戸市での射殺事件の2件で逮捕されており、これが3件目の容疑となった。

「留置されていた水戸から神戸への押送の際、たまたま六代目山口組関係者が知人を迎えに行っていたためかち合ってしまい、警察があたふたしたそうだ」(六代目山口組と友好関係にある関東広域組織参組長)

 金澤容疑者には暴力団社会でも類型のない「連続ヒットマン犯」の疑いがある。一般的な押送とは別次元の緊張感だったろう。以前、神戸山口組の井上邦雄組長に取材した際、「織田(絆誠・絆會会長)のところには最高の若い衆がいる」と、金澤容疑者を激賞していた。暴力団社会の論理では、その言葉に嘘はなかった。

 事件は2023年4月22日、神戸市長田区のラーメン店で起きた。

 店内で作業中の組長が、突然侵入してきた黒い洋服を着たやせ形の男に射殺されたのだ。ニュースは暴力団の抗争事件というより、ヤクザがラーメン店を経営し、自ら厨房に立っている意外さが広く話題となった。だが、直後、ラーメン店入り口の防犯カメラ映像が暴力団筋から流出し、空気ががらりと変わった。

 動画はヒットマンの姿も、病院に搬送される組長の様子もはっきりと捉えていた。ヒットマンが店内に侵入し、凶行を終えて出て行くまでおよそ40秒……体型や歩き方から、「絆會の金澤若頭ではないか?」と噂になった。

「六代目山口組側はしきりに『あれは金澤だ』と騒いでいたが、すでに別の射殺事件も金澤の犯行と目されていた。そのため信じがたい話だった。殺人未遂と二つの殺しを合わせると、どう考えても死刑は免れない。ヤクザは親子関係を建前にしているため、殺してこいと命令できても、死んでこいとは指示できない」(同前)

 金澤容疑者は、2020年9月28日の夕方、長野県宮田村の飲食店駐車場で、腹心だった暴力団幹部の腹部を銃撃した。絆會から六代目山口組への移籍を表明していて、それを食い止めようとしたと言われている。

 それ以後、3年4か月の逃亡生活のなか、現役暴力団員が「あり得ない」と断じた二つの殺人事件に手を染めたことになる。

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