年相応の美しさが際立つ松嶋奈々子(時事通信フォト)
“自然体の美しさ”
宮沢や松嶋が“アラフィフらしい美しさ”を発揮する一方で、石田ゆり子(54才)は“奇跡のアラフィフ”と呼ばれるなど、その若々しさにスポットが当たることが多い。
「石田ゆり子さんは年齢よりも若く見えますが、“自然体の美しさ”を発揮している点については、宮沢さんや松嶋さんと共通していると思います。年齢に抗って無理な雰囲気で若作りをしている俳優さんに対しては、反発の声が多いのですが、自然体であったり、健康的な雰囲気であったりすると、支持されやすい。つまり“年齢より若いかどうか”ということよりも、“自然体かどうか”を見ている人が増えているということですね。自然体であれば、年相応であろうが、若かろうがその美しさが支持されやすいわけです」
そんな“自然体の美しさ”を持つ俳優は、仕事の幅も広がりやすいという。
「若い頃は、ある程度の美しさが必要な役が多い現実もありますが、アラフィフくらいになってくるとものすごく生活感が溢れた役や実年齢よりも年上の役など、いろいろなタイプの役柄が増えてきます。なかには“美しさ”とは逆の要素が求められるケースもある。自然体な雰囲気を持っている俳優であれば、そういった役どころにも対応できるはずです。無理して普段から若作りをしているタイプの俳優の場合、その姿のイメージが強すぎて、演じられる役も限られてしまいます。そういった意味でも、自然体を貫く背景には、俳優としてのプロ意識があるのだと思います」
もちろん“自然体の美しさ”の裏には、健康管理などにおける並々ならぬ努力があるだろう。それも含めてプロ意識なのかもしれない。