傘を差した状態での自転車衝突事故を再現するスタントマン。自転車の傘差し運転も「青切符」の対象となった(イメージ、時事通信フォト)

傘を差した状態での自転車衝突事故を再現するスタントマン。自転車の傘差し運転も「青切符」の対象となった(イメージ、時事通信フォト)

 別の「自転車のスマホながら運転」をするママチャリの女性も子どもを乗せていたが交番の前を通っても何も言われていなかった。警察官は立っているのに、である。これもいろいろあるのだろうが、11月1日からはこうはいかなくなるのだろう。

「危ないなんてもんじゃない」

 改正道路交通法で2026年までに実施される「自転車の青切符」だが、このように「自転車のスマホながら運転」も11月1日からの罰則と取締りの対象となることが決まった。自動車やオートバイ、そして歩行者の側からすれば「やっと決まったか」という感想も多いことだろう。

 それほどまでに自転車の「自転車のスマホながら運転」は野放しで、どこも時間帯や場所によっては「自転車のスマホながら運転だらけ」が常態化していた。この繁華街のように「自転車のスマホながら運転」が日常の光景となっているような「荒れた」地域もある。言い方が難しいのだが「自転車のスマホながら運転」の人たちは逆ギレする方々が珍しくなく、その姿がSNSなどでも晒されている。

 自転車を趣味のスポーツとして長く楽しんできた40代男性は「決定は遅すぎた」と語る。

「罰則のあるなしにかかわらず、普通はしないですよ。危ないなんてもんじゃない。でも現実はあちこち自転車でスマホのながら運転して走ってる、むしろ遅かったくらいです」

 言葉の通り、本来は罰則のあるなしにかかわらず危険、かつ迷惑な行為なのでするべきでないし、はっきり言って危な過ぎる。本人だけでなく歩行者が理不尽な事故に巻き込まれてしまう。自動車やオートバイ、とくに商業車のドライバーの方々の多くも「どう転んでもこっちが加害者になってしまう」と困っている。いや、ずっと困ってきた。

 じゃあ10月30日までは大丈夫などと思わず、いまも「自転車のスマホながら運転」をしているという方、どうか本当にやめて欲しい。

日野百草(ひの・ひゃくそう)/日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経て、社会問題や社会倫理のルポルタージュを手掛ける。

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