ビジネス

《旭川女子高生殺害》事件直前に助け求めたコンビニ店を責める正義の暴走 他のコンビニ店員「時給1000円とかでそこまで担うのは勘弁」

殺人容疑で逮捕された内田梨瑚容疑者(SNSより)

殺人容疑で逮捕された内田梨瑚容疑者(SNSより)

 追われる女子高生が求めた通報の願いを聞き入れなかったとコンビニエンスストアの店員が責められた。女子高生を監禁するため連れ回していた容疑者たちがコンビニに立ち寄った際、助けを求めたのをそのままにしたのは許せないと、事件とは直接的に関わりが無いと思われるネット民たちの一部が、いまもコンビニ店の特定に励んでいる。日本フランチャイズチェーン協会は加盟するコンビニチェーン約5万7000店舗でセーフティステーション活動(SS活動)をするなど、地域社会の安心安全に貢献することをうたってはいるが、武器も防護服もなくユニフォーム一枚着ているだけの店員が果たしてどこまで危険に介入できるのか。人々の生活と社会の変化を記録する作家の日野百草氏が、コンビニ側の本音を聞いた。

 * * *
「そういう連中が来たら通報する自信は私もないですね。ましてワンオペで、その場で犯罪かどうか判断しろというのは無理だと思います。防犯カメラであとから、という対応はできますが」

 都内コンビニエンスストア、50代店員は「自分のところに来たら」という前提で率直に話してくれた。

 旭川市の神居大橋で留萌市の女子高生(17歳)が橋から落とされて殺害された事件。犯人らは女子高生を全裸にしたのち動画を撮影、「落ちろ、死ねや」などと脅して犯行におよんだとされる。

 その途上、コンビニに立ち寄った際に女子高生はコンビニ店員に助けを求めていた。しかし犯人らは「この子はおかしくなっている」「取り合うな」といった趣旨の説明で女子高生を引き続き連れ回し、暴行した。

 コンビニ店員は犯人らの「言葉巧み」(複数の報道より)な説明によって、通報しなかった。これについてSNSや匿名掲示板の一部で「なぜ通報しなかった」とコンビニやその店員に対する非難の声があった。あるサイトには「コンビニ店員が共犯」「コンビニアルバイトのせい」のような心ない書き込みもある。検索エンジンでも質問サイトなどにそうした非難がいくつも引っかかる。運営は対処しているようだが中傷の残骸は残っている。
 
「店やオーナーの方針にもよるのでしょうが、基本的に店長など責任者に聞かないと警察に通報できません。コンビニは警察と提携しているとされていますが、あくまで『協力』しているだけで義務ではありません」

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
立花孝志容疑者(左)と斎藤元彦・兵庫県知事(写真/共同通信社)
【N党党首・立花孝志容疑者が逮捕】斎藤元彦・兵庫県知事“2馬力選挙”の責任の行方は? PR会社は嫌疑不十分で不起訴 「県議会が追及に動くのは難しい」の見方も
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン