芸能

【独白70分】盟友・山崎努が明かした映画監督・伊丹十三との“濃い関係”「今でも、夢に出てくるよ」

『お葬式』で井上侘助役を演じた山崎努

『お葬式』で井上侘助役を演じた山崎努

 俳優、エッセイスト、イラストレーター、テレビマンなど、数々の分野で類稀なる才能を発揮した伊丹十三。「映画は僕の全人生の煮こごり」と語ったように、彼が最後に辿り着いた仕事の集大成が映画監督だった。あまりにも不吉なタイトルで世間の度肝を抜いた初長編『お葬式』(1984年)の公開から40年。伊丹が絶大な信頼を寄せた俳優・山崎努(87)に在りし日の思い出を聞く。(崎は正式には「たつさき」)

「ものを作る人間同士の付き合いってね、濃いものがあるんです。必ずしも“仲良しさん”ばっかりで通すわけにもいかない。互いに自己主張して、うまく組めれば理想だけど。今、考えてもね。伊丹さんは僕にとっても特別な人、とても大事な人なんだ」(山崎さん。以下同)

 年齢は伊丹が3歳上だが、映画デビューは同じ1960年。山崎が黒澤明の『天国と地獄』の誘拐犯役で一躍脚光を浴びた1963年には、伊丹も『北京の55日』出演でハリウッドへの進出を果たす。

「時代的に言ってもね。新しいタイプの俳優が出てきていい時期だったと思うんだ。それまでの職人的な役者や新劇の俳優とは違う。『今までにないタイプの俳優になりたい』と。それまでよしとされていた演技は、例えば500人に感想を聞いても、答えがひと通りしかないようなものなんですよ。だけどおかしいじゃないですか。人間が人間を見ていて、答えがひとつしかないって。

 見る人によってみんな違うのが人間でしょ。見る人によってそれぞれ微妙に違うように、登場人物が生き生き見えることが大事なんですよ。これがみそなんです。でもそれまではそうじゃなかった。僕らの時代から変わってきた。500人が見たら500通りの答えがあるのが理想なんです。伊丹さんとは、そういうところで一致していたような気がするね」

関連記事

トピックス

11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
左が金井正彰・外務省アジア大洋州局長、右が劉勁松・中国外務省アジア局長。劉氏はポケットに両手を入れたまま(AFP=時事)
《“両手ポケット”に日本が頭を下げる?》中国外務省局長の“優位強調”写真が拡散 プロパガンダの狙いと日本が“情報戦”でダメージを受けないために現場でやるべきだったことを臨床心理士が分析
NEWSポストセブン
ビエンチャン中高一貫校を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月19日、撮影/横田紋子)
《生徒たちと笑顔で交流》愛子さま、エレガントなセパレート風のワンピでラオスの学校を訪問 レース生地と爽やかなライトブルーで親しみやすい印象に
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン