かつては長年、番台に座るベテランだから気づける程度で他の客の迷惑まで発展しなかった(写真/イメージマート)

かつては長年、番台に座るベテランだから気づける程度で他の客の迷惑まで発展しなかった(写真/イメージマート)

新築の隣にある公園がネット掲示板にあった

「裏手に大きな公園があり、その立地が魅力的で自宅を新築しました。でも、まさかこんな目に遭うとは思っていませんでした。私1人が住むのなら我慢できます。でも子供も妻もいる。文句をいうにも言えず……。だから泣く泣く引っ越したのです」

 ほとんど涙目で筆者にこう訴えるのは、南関東在住の会社員のBさん(40代)だ。およそ6年前に自宅を新築し3年が経過し、新型コロナウイルスの感染対策で世の中が一色になっていた頃、裏手にある公園内に、不穏な動きをする人たちがやってくることに気づいた。何度か目撃するうちに分かったのは、全員が男性で、ベンチに等間隔に座り、時刻はたいてい23時過ぎ。気になり始めると彼らの様子が独特なこともわかってくる。物色としか言いようがない感じでベンチに座る人の顔をのぞき込んだかと思えば、ハグをしたりキスをしたり、互いの股間に手をあてがう様子を何度も目撃したことで、彼らの事情を察したという。

「愕然としました。彼らがよく座っているベンチは、子供部屋やベランダからも見える位置で、いやでも気になる。すぐ自治体に相談して、公園内でいかがわしい行為をしないよう紙も貼られました。でも、そこには”迷惑行為をやめよう”としか書かれておらず、そのうち風雨で剥がれると、また男たちが集まりだしたんです」(Bさん)

 そして間も無く、Bさんは自宅裏の公園が、ネット掲示板でも有名な「ハッテン場」だったことを知り、卒倒しそうになったと振り返る。

「何時に公園のどこにいるとか、身長体重、誰に似ている、みたいなことが延々と書かれており、中にはその公園でどのような性行為をしたいなどが具体的に書かれており、吐き気を覚えました。公園内には実際、避妊具やアダルトグッズのゴミが放置までされている。ネット掲示板に書かれていたのは、公園だけではありません。近くのデパートの何階のトイレの個室とか、駅前の人の往来の激しい場所にある多目的トイレで性行為をするなど、かなり具体的に書かれていた。彼らは人に危害を加えるつもりはないかもしれない。でもそれは、子供たちには絶対に見せられない」(Bさん)

 かくして、せっかく建てた我が家から新築の自宅から半ば逃げ出すように引っ越したBさん。かなり強い口調で、こうした迷惑行為に及ぶ人たちを非難するが、当然、彼らを一括りにして批判するわけではないとも話す。

「別に同性愛がダメと言っていのではなく、男女のカップルであろうとも、人の迷惑になったり、人の気分を害するようなことをするな、と言いたいだけです。ですが、この顛末をSNS上に書き込むと、全く知らない人から差別だとか、考え方が古いとメッセージが届きました。役所に強くいっても、恋愛とか権利とか言われて話にならないんです」(Bさん)

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