ジャッジ7人のうち高得点2人、低得点2人を除外した3人の採点が採用される。そのため“上から3番目の採点者となったうえで高得点をつける”というのが“身びいき審判員”の技術なのだという。

「そうはいっても、誰がどのような点数をつけたかは後でわかりますからね。ペナルティのようなものはありませんが、あまりに露骨な審判員は次の国際大会には呼ばれなくなります。

 近年は中国選手が圧倒的に強いので、英国や米国の審判はどうにかして中国選手の点数を抑えようとしている印象があります。だから中国選手がミスをすると大減点、逆に完璧な演技をしても10点満点にはならない。ところが決勝には中国だけでなく、英国や米国の選手も残るので、それらの国の審判員は除外される。すると、予選や準決勝では出なかった満点がバンバン出たりする(苦笑)。国際試合では予選と決勝の点数の違いを見るだけでも、“採点競技の裏側”を感じられるかもしれませんね」

(後編につづく)

※『審判はつらいよ』(小学館新書)より一部抜粋・再構成

【プロフィール】
鵜飼克郎(うかい・よしろう)/1957年、兵庫県生まれ。『週刊ポスト』記者として、スポーツ、社会問題を中心に幅広く取材活動を重ね、特に野球界、角界の深奥に斬り込んだ数々のスクープで話題を集めた。主な著書に金田正一、長嶋茂雄、王貞治ら名選手 人のインタビュー集『巨人V9 50年目の真実』(小学館)、『貴の乱』、『貴乃花「角界追放劇」の全真相』(いずれも宝島社、共著)などがある。飛込の審判員のほか、野球やサッカー、柔道など五輪種目を含む8競技のベテラン審判員の証言を集めた新刊『審判はつらいよ』(小学館新書)が好評発売中。

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