そんな状況下での総裁選についてはこう見る。
「国会議員は自分の議員生命がかかっているから、少しでも議席のマイナスが少ないほうを選ぶのではないか。岸田さんが総裁選に出馬し、現職総理が負けるというショッキングな事態もあり得る。その場合、自民党議員が岸田さんにNOを突き付けたと国民に示すことはできるでしょうが、新たな総裁が誕生しても、次の総選挙で負けて短命に終わる可能性は十分ある。それなら岸田さんが早く総裁選撤退を決断し、新しい候補が総裁選を通じて自民党がどう変わろうとしているかを国民に示すほうがより良い結果になるのではないか」
岸田首相や自民党議員たちは長老の声をどう受け止めるのか。
取材/野上忠興(政治ジャーナリスト)
※週刊ポスト2024年8月16・23日号