ビジネス

《富士山隠した国立市の新築マンション騒動》始まった解体作業、地元住人「跡地に何ができるのか不安」利用計画を積水ハウスに直撃

富士山の眺望が遮られると騒動に(時事通信フォト)

富士山の眺望が遮られると騒動に(時事通信フォト)

 駅から徒歩10分ほどの場所にある、完成直前の新築分譲マンション。通り沿いではひときわ目立つ10階建てで総戸数は18。しかし、その周囲は塀で囲まれたまま。敷地内にもともとあった植栽は撤去され、現在も頻繁に工事関係者が出入りしていた──。

 東京・国立市のJR中央線国立駅から南西方向にまっすぐ延びる「富士見通り」は、国土交通省の「関東の富士見百景」に選定され、富士山が眺望できる名所となっている。今年7月に契約者へと引き渡されるはずだったこの新築マンションは、直前の6月4日付で事業主の積水ハウスが、国立市に事業中止と建物解体を届け出て、その後間もなく「解体」を発表した。完成直前の新築マンション取り壊しは異例のことで、SNSを中心に騒動となった。全国紙記者が解説する。

「2021年2月に積水ハウスが分譲マンション『グランドメゾン国立富士見通り』の建設計画を公表しました。翌年11月に国立市が建設計画を承認し、2023年1月に着工しています。

 国立市は文教地区で自然も多く、特に『富士見通り』沿いにできるマンションとあって富士山が一望できると人気で、販売価格は7000万~8000万円台でした。ほとんど完成していたマンションですが、通りから見える富士山の眺望が遮られてしまい、そのことがSNSで拡散されたのです。同市では約20年前にも、駅から南方向に延びる『大学通り』の14階建てマンションの建設をめぐり、反対運動が起きています。周辺住民は、このエリアの景観利益について敏感なのです」

 苦情が殺到した積水ハウスは、建築基準法上の問題はなかったとしながらも、住民説明会なども経て『景観などについて検討が十分ではなかった』として事業の中止と解体を決定。渦中のマンションの解体は7月下旬から準備が始まり、来年8月まで1年かけて作業が行われる。地元商店街の店主は困惑しながらこう話す。

「冬の朝にここから見える富士山は本当にキレイです。だからマンションで見えなくなったときは『もう見えないんだ……』と、ガッカリしました。でも、また今までどおりに富士山がまた見られるようになるのは嬉しいです」

 別の商店街店主はマンション解体後の不安を口にする。

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン