ライフ

《標高3000メートル密着ルポ》槍ヶ岳で医療ボランティアが支える“雲の上の診療所”、時代とともに変わる山頂のリアル「雪はどんどん減り、熱中症の登山客が……」「人手が足りず週末しか開所できない診療所も」

日本で5番目の高さを誇る槍ヶ岳。その頂上に至る手前で、登山客を見守る「槍ヶ岳山岳診療所」の医療ボランティアたち

日本で5番目の高さを誇る槍ヶ岳。まさに槍のようにそびえ立つその山頂に至る手前で、登山客を見守る「槍ヶ岳山岳診療所」の医療ボランティアたち

 天を衝く槍の穂先のような頂から「槍」の名前を冠する槍ヶ岳(標高3180メートル)。長野県と岐阜県の境に位置する日本で5番目の高さの山で、その特徴的な形と簡単にはたどり着けない険しさから多くの登山家が憧れ、富士山に次ぐ人気を誇る山でもある。

 その山頂の100メートルほど下から、岩肌に取り付いて頂上に挑む登山客を見守る人たちの姿があった。槍ヶ岳山岳診療所の医療従事者たちだ。

 国内には富士山のほか、槍ヶ岳などがそびえる北アルプスを中心に約20か所の山岳診療所(夏山診療所)がある。その多くが大学病院等によって夏季限定で運営され、医師や看護師、また医学部の学生らによる無償のボランティアで成り立っている。

 その中でも数が限られる標高3000メートルを超える“雲の上の診療所”とは、どのような場所なのか。東京慈恵会医科大学が運営する槍ヶ岳診療所に密着取材した。

 8月上旬、記者は撮影機材などを含む約10キロの荷物を背負い、上高地(長野県松本市)を出発。中継地の「槍沢ロッヂ」(標高1820メートル)で一泊し、翌朝、「槍ヶ岳山荘」(標高3080メートル)に併設されている診療所を目指した。

 ロッヂを出てしばらくすると森林限界を超え、清々しい高山の景色が広がる。だが、日が昇るにつれ、遮るものがない登山道を厳しい日差しが容赦なく照り付ける。何度も休憩をはさみ、水分と行動食を補給しながら急勾配の岩稜帯を登り続け、5時間をかけて診療所に到着した──。

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン