警視庁生活安全部が「闇バイト」を警告している投稿(警視庁生活安全部公式Xより)

警視庁生活安全部が「闇バイト」を警告している投稿(警視庁生活安全部公式Xより)

「警察から”お子さんの件で”と電話があるまで、まさか息子が詐欺事件に巻き込まれるなんて想像もしていませんでした。どうやら、いわゆる詐欺事件のお金の”受け子”のバイトを知人から紹介されてやったようで、警察に捕まったんです。息子は取り調べにも、私たちにも”本当に知らない”とか”騙された”と泣きじゃくっていました」(主婦)

 彼女の息子は、学校の友人から「割のいいバイトがある」と紹介された。息子は「まさか闇バイトじゃないだろう」と、とくに疑いもせず軽い気持ちで承諾。友人と共に、免許証などの個人情報をバイトの「仲介者」に送ったという。そして最初のバイトは、指定された場所で受け取った荷物を、また別の指定された宛先に郵送するだけ、というものだった。簡単なうえに1万円程度のギャラまで発生したから、息子も友人も「本当にもらえた」「割のいいバイトだ」と喜んだ。しかし、いっときのぬか喜びは、一瞬にして恐怖に変わったのだ。

「最初のアルバイトをしたあと、今度はロッカーから荷物を取り出して人に渡せとか、他人名義のクレジットカードで買い物をしろ、という指示が出たそうです。さすがに息子たちもこれは詐欺ではないかと怖くなり断ったそうです。ですが、そこから家族に危害を加えるなど脅され、仕方なくやってしまったと。捕まってホッとしている様子でしたが、早く引っ越さないと、私や家族が危険だと取り乱したりもしました。闇バイトから抜け出せず、誰かに怪我をさせるなどする前で本当に良かった」(主婦)

 特殊詐欺や連続強盗などの「実行役」のリクルートは、警察当局の強い締め付けもあり、年を追うごとに厳しくなっている。さらに直近では、闇バイトの報酬を受け取ろうとしていた男が、別の闇バイトで集められた男らに襲撃される、といった事件も起きており、犯行グループや指示役らの仲間割れなど、内部的なトラブルも続発しているとみて良い。

 どんなに困っていようと「闇バイトだけは勘弁」と考える人が増える一方、自暴自棄になって手を出したり、ここで紹介したような半ば「騙されて」犯罪に加担せざるを得ない状況に追い込まれる人も増加するはずだ。

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン