ビジネス

《ファミマがイートイン廃止へ》コンビニ店長が嘆く迷惑客の実態、「何も買わずに充電してスマホ動画を観続ける」「勉強机代わりに延々と居座る」

ファミリーマートは約7000店舗に設置されているイートインを順次、売り場に転換すると発表した(時事通信フォト)

ファミリーマートは約7000店舗に設置されているイートインを順次、売り場に転換すると発表した(時事通信フォト)

 2013年にセブン-イレブンが店頭にコーヒーマシンを設置してセブンカフェをヒットさせて以後、コンビニ各社は飲食提供を拡充させ、店内で飲食できる「イートイン」も増やしてきた。一時は近隣のコーヒーショップやファストフードの客を奪う勢いだったが、10月2日にファミリーマートがイートインを順次売り場に転換すると発表した。人々の生活と社会の変化を記録する作家の日野百草氏が、サービスを食い物にする人たちによって「イートイン」で何が起きていたのかをレポートする。

 * * *
「コンビニのイートイン、この通り機能しなくなってしばらく経ちますが、これでよかったと思います」

 都内、住宅街を抜ける狭い市道沿いにあるコンビニの店長。はっきりと「無くなってよかった」と言い切った彼の前に薄暗い一角、かつてイートインスペースがあった場所だ。椅子も片付けられ、規制テープのようなものが掛かっている。

「うちは数席しかありません。それでも色々と面倒で、気が気じゃありませんでした」

 コンビニのイートインそのものは古く、ミニストップが1980年代に始めたとされる。ミニストップは元々がファストフードとコンビニのハイブリット営業のためイートインは必然だった。

 それが2010年代に入ると各コンビニチェーンもイートインを設置した店舗を増やし始めた。24時間対応の「たいていのことができる」何でも屋としてのコンビニを目指した結果とも言えるが、紙雑誌の売り上げの減少と男性向け雑誌の相次ぐ規制によって、それまでコンビニの一角を占めていた雑誌コーナーが縮小されるのと平行してイートインが拡大したのも一因とされる。

「このイートインも元は雑誌と書籍売り場でした。隅っこですからね、まさに男性向け雑誌やかさばる500円とかのコミック本が置かれていた場所です」

 このコンビニでは雑誌スタンドが2台まで減り、スタンドの上が一部、コミックや文庫本の棚になっている。

 かつてコンビニの入口側の壁すべてを覆い尽くしていた雑誌スペースは昔の話。しかし、いまやその代わりに拡充されたイートインスペースのはずが徐々に廃止となったり、極めて限られた時間のみの開放となったりしている。

 そしてついに2024年10月、ファミリーマートがイートインの廃止を決めた。2013年から設置され全店舗の約4割、約7000店舗に広がったイートインが原則、廃止となる。ごく一部に継続店舗もあるとするが基本的には廃止、そのスペースは売場面積の拡大に充てられるという。

「コロナ禍で使えなくなったままの店舗も多いと思います。ファミリーマートさんだけじゃないですね」

関連キーワード

関連記事

トピックス

谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン