国内
石破茂首相は保守か、エセか

【保守とは何か】呉智英氏「家族観は時代ごとに変わるもの」夫婦別姓について慎重論に転じた石破首相は保守といえるのか

評論家の呉智英氏が石破自民のスタンスを分析

評論家の呉智英氏が石破自民のスタンスを分析

 来る総選挙は、自民党総裁の石破茂首相と野党第一党・立憲民主党の野田佳彦代表がともに「保守」を自任する政治家としてぶつかり合う。だがこの2人、果たして“本物の保守”なのか。評論家の呉智英氏が、石破自民のスタンスについて分析する。

 * * *
 日本の政治では「保守」と「革新」が対比で使われてきた。革新は文字通り、改革して新たにする。保守は、むやみに改革などせず、基本的に現状を守り、かつ伝統を守るというスタンス。

 そのような定義に基づけば、自民党では池田勇人・首相がつくった宏池会が一番保守というものを代表していたと考える。いわゆる「岩盤保守」は改憲を声高に訴えているが、憲法9条を尊重する姿勢のほうが現状を守るという保守のスタンスに当てはまっている。

 石破氏は、憲法9条2項の「戦力の不保持」の改正を正面から言っている。では、保守ではないのかというと少し違う。

 自衛隊を軍にすることについては、過去60年、「ここまでは軍」「ここまでは自衛隊」という議論がどんどん変わってズルズル装備を拡充してきた。

 しかし、世界の動静を見ると、いつかはっきり軍として運用しなければならない方向にある。具体的には、北朝鮮が挑発してくるといったことがあるわけで、戦争や紛争が起こり得る。だから何らかの形で軍備というか、自衛隊という存在をはっきりさせなくてはならない。

 その意味で、石破氏は宏池会のような現状維持の保守ではないけれども、現実を見た保守派なのではないか。

 保守と呼ばれる人のなかには、夫婦別姓を認めると日本の伝統的な家族観に反し、家族の破壊が起きると言う人がいる。それに対して石破氏は総裁選の前に「夫婦が別姓になると家族が崩壊するとか、よく分からない理屈があるが、やらない理由がよく分からない」と主張していた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
メキシコの有名美女インフルエンサーが殺人などの罪で起訴された(Instagramより)
《麻薬カルテルの縄張り争いで婚約者を銃殺か》メキシコの有名美女インフルエンサーを米当局が第一級殺人などの罪で起訴、事件現場で「迷彩服を着て何発も発砲し…」
NEWSポストセブン
「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年11月6日、撮影/JMPA)
「耳の先まで美しい」佳子さま、アースカラーのブラウンジャケットにブルーのワンピ 耳に光るのは「金継ぎ」のイヤリング
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン
「埼玉を日本一の『うどん県』にする会」の会長である永谷晶久さん
《都道府県魅力度ランキングで最下位の悲報!》「埼玉には『うどん』がある」「埼玉のうどんの最大の魅力は、多様性」と“埼玉を日本一の「うどん県」にする会”の会長が断言
NEWSポストセブン
受賞者のうち、一際注目を集めたのがシドニー・スウィーニー(インスタグラムより)
「使用済みのお風呂の水を使った商品を販売」アメリカ人気若手女優(28)、レッドカーペットで“丸出し姿”に賛否集まる 「汚い男子たち」に呼びかける広告で注目
NEWSポストセブン
新関脇・安青錦にインタビュー
【独占告白】ウクライナ出身の新関脇・安青錦、大関昇進に意欲満々「三賞では満足はしていない。全部勝てば優勝できる」 若隆景の取り口を参考にさらなる高みへ
週刊ポスト
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
《出所後の“激痩せ姿”を目撃》芸能活動再開の俳優・新井浩文、仮出所後に明かした“復帰への覚悟”「ウチも性格上、ぱぁーっと言いたいタイプなんですけど」
NEWSポストセブン
”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン