母・工藤静香と仲睦まじい姿を見せるKoki,
人との交流と言えば、お母さんである工藤さんは若い頃から、そのあたりも非常に上手だったと言えるでしょう。和田アキ子さんや森光子さん、とんねるず・石橋貴明さんなど各界を代表する売れっ子や重鎮と交遊があり、彼らが自分の番組で、工藤さんが親御さんのために家を建ててあげた、親孝行だというエピソードを明かしていました。実力者(インフルエンサー)の懐に飛び込み、交流を持つことで自分のいいところが拡散され、イメージアップがなされるというSNS戦略の原型を、工藤さんはとっくに実行していたと言えるのではないでしょうか。
しかし、Koki,さんがこういう売れるためのカンを養うのは、環境的に難しいのかもしれません。明石家さんまさんを父に、大竹しのぶさんを母に持つタレント・IMARUさんは2016年8月8日放送の「しくじり先生 俺みたいになるな!3時間スペシャル」(テレビ朝日系)において、二世の難しさを明かしています。デビュー後、注目度の高さから大きな仕事が続々と決まるも、結果は出せずに仕事を維持することができなかったIMARUさん。しかし、危機感はそれほどなかったと言います。なぜなら、周りが親御さんに遠慮して、誰も注意しないから。ということは大物二世だからこそ、自分をどう見せるかは自分で決めないといけないという厳しさがあると言えるのではないでしょうか。
工藤静香も芸能界の憂き目を超えてきた(Imaginechina/時事通信フォト)
考えてみれば、お父さんもお母さんもラクをしてスターになったわけではないのです。歌番組が激減したために、SMAPはバラエティー路線に転向し、トークスキルを磨いてコントにも挑戦していました。工藤静香さんもおニャン子クラブに加入する前には、セブンティーンクラブとしてデビューしていますが、シングルを2枚出した後に活動を休止しています。こういう憂き目に負けなかったからこそ、今があると言えるのではないでしょうか。これまでどおり家族と仲良くしつつ、家族から一歩離れる勇気をもって自分を確立できるのか。これがKoki,さんに課せられた最大の試練なのかもしれません。
◇仁科友里/フリーライター。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ』(主婦と生活社)。