入場前に出席者に配られた用紙
90度のお辞儀を10秒以上
そして拍手の中、俊博氏は10秒以上、来場者に90度のお辞儀を続けた後、演壇の縁をつかんで体を移動させていく。相当体に無理をしながら、三男のための“最後のお願い”に登壇したことがうかがえた。地元の自民党地方議員が語る。
「二階選対には『このままじゃ負ける』という空気が日に日に強まっていった。二階先生の引退で、頼みにしていた選挙マシンが思うように動かない。建設業者なども今回の選挙は板挟みだった。二階先生には恩があるけれども、引退だからこれからは和歌山で世耕さんの力が大きくなる。昨年の県議選でも二階さんの懐刀と言われた県議が共産党候補に苦戦し、世耕さんに近い市議たちが反二階で動いたからだと言われていた。
いつの間にか地盤がどんどん切り崩されていたんです。これだけの大差をつけられたら、この先、伸康さんが世耕さんから地盤を取り戻すのは難しいでしょう。もう形勢挽回できないとわかっていた最終日にあえて二階先生が地元に顔を出して挨拶したのも、地盤を失う前に長年お世話になった支持者にお別れと感謝を示したかったのだと受け止めました」
まさに“落城”の光景だった。