国内

【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発

公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)

公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)

 衆院選大敗で自民党の権力基盤が弱体化するなか、存在感を増しているのが世耕弘成・前党参院幹事長だ。

 派閥の裏金問題で自民党を離党したドサクサのなかで鞍替え出馬して衆院議員に。復党こそしていないものの、与党過半数割れで早速に自民会派入りが決まった。来年に参院選が控えるなか、参院旧安倍派への影響力も健在とされ、今後の政局のキーマンのひとりと目されている。

 ところが、その世耕氏にお膝元から“退場勧告”が突き付けられたのだ。ジャーナリストの赤石晋一郎氏がレポートする。

 * * *
 ここに1枚の告発ペーパーがある。

 10月18日付で作成された「公益通報・相談受付シート」と題された文書で、通報者氏名は「近畿大学教職員組合」、そして通報の対象者となっているのは「世耕弘成」──。

 大阪市の郊外、近鉄長瀬駅から商店街を抜けるように10分ほど歩くと荘厳な佇まいの建造物が見えてくる。在阪大学の雄として知られる近畿大学(以下・近大)の東大阪キャンパスである。

 近大は学生数・約3万5000人というマンモス大学で、日本で最も一般入試志願者数が多い大学としても知られる。理事長は世耕弘成氏その人である。

「公益通報」の文書には、こう記載があった。

〈世耕弘成による近畿大学の私物化を是認したことになり、その責任を負うのは理事長である。このような近畿大学の私物化・政治利用をただちに中止し、理事長を辞任せよ〉

 世耕氏の政治家としての地盤である和歌山県は、近大と長くて密接な関わりがある。

 世耕氏の祖父であり、近大創設者の弘一氏は和歌山県東牟婁郡敷屋村(現・和歌山県新宮市)出身。和歌山を地盤とした衆院議員でもあった。伯父である政隆氏も近大理事長、そして同じように和歌山から衆院選、参院選に出馬して当選し、自治大臣まで務めた経歴を持つ。

 世耕一族は近大の“創業家”であり、かつ和歌山を地盤とする政治家一族でもあるのだ。

 では、その系譜にある世耕氏が、なぜ公益通報されるに至ったのか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン