芸能

高田文夫氏、片桐はいりと約1か月半もコントをやり続けるクドカンに「息抜きなのか、苦行なのか、コントの業なのか」

息抜きなのか、苦行なのか、コントの業なのか(イラスト/佐野文二郎)

息抜きなのか、苦行なのか、コントの業なのか(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は片桐はいりの壁、クドカンの苦行、徳光和夫のわがままについて綴る。

 * * *
 この連載のイラストを描いてくれている佐野クンが「顔面イラストレーターとして一度は描いて越えなければならない似顔絵50-50の高い壁が片桐はいりなのです」。と妙に闘志を燃やす。近頃はトランプの復権やら兵庫の斎藤復権などもう何があってもおどろかない私です。

 私は片桐が映画館のもぎりをやっていた頃の話をエッセイにした本が好きです。そんな折、クドカン(宮藤官九郎)が片桐はいりと1か月半近くコントをやり続けるらしいと耳にした。クセ者だらけでタイトルも『主婦 米田時江の免疫力がアップするコント6本』。11月7日から12月15日まで延々毎日やって、その後大阪で7公演だと。どうかしているのだ。今年はずっと働きづめだったクドカンのために事務所がごほうびとして自由に遊んで息抜きしていいよと用意したものか、逆に苦行なのか。コントの業なのか。

 横にいるのが「個性的」なんてハンパな言葉じゃくくれない奇人・皆川猿時、勝地涼らである。なのに場所は下北沢ザ・スズナリという8人も入ればいっぱいの小屋である(ン? もうちょっと入る?)。猿時の裸を見るだけで11月だと言うのにこっちが汗ばんできた。クドカン曰く「誰からも見た感想が届かない」。そりゃそうだ。

 免疫力がアップしたところで年が明ければクドカン脚本の映画『サンセット・サンライズ』(菅田将暉主演)が公開される。これも楽しみ。監督は岸善幸。

 クドカンが1か月以上ずっと同じことをやり続けるならこちらは池袋サンシャイン劇場で3日間毎日違う内容で舞台に挑んだ徳光和夫(83歳・欽ちゃんと同い年)。題して『徳光和夫のわがまま昭和歌謡!』。私が行った初日はタブレット純の甘い歌声に酔うはずが……。徳光と歌謡司会者西寄ひがしがあらゆる歌謡うんちく。ちなみに西寄はずっと氷川きよしの座付き司会者をやっていたが、その前は森進一。「西よりも日が上る東だろ」とこの芸名を付けてくれた。

 後半タブレットがギターを教わりに行っているレキントギターの第一人者、ムード歌謡の帝王、“東京ロマンチカ”のリーダー鶴岡雅義(91歳)も登場し、作曲した『二人の世界』『君は心の妻だから』をタブレットと2人で椅子にも座らずギターでつまびいた。歌謡曲好きにはたまらない舞台となった。

 他の日は浅丘ルリ子、クミコ、そして3日目が林家たい平、徳永ゆうきらとにぎやかにお届け。徳光本番中眠らず。

※週刊ポスト2024年12月6・13日号

関連記事

トピックス

若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「正しい保守のあり方」「政権の右傾化への憂慮」などについて語った前外相。岩屋毅氏
「高市首相は中国の誤解を解くために説明すべき」「右傾化すれば政権を問わずアラートを出す」前外相・岩屋毅氏がピシャリ《“存立危機事態”発言を中学生記者が直撃》
NEWSポストセブン
3児の母となった加藤あい(43)
3児の母となった加藤あいが語る「母親として強くなってきた」 楽観的に子育てを楽しむ姿勢と「好奇心を大切にしてほしい」の思い
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
神戸ストーカー刺殺“金髪メッシュ男” 谷本将志被告が起訴、「娘がいない日常に慣れることはありません」被害者の両親が明かした“癒えぬ悲しみ”
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
木瀬親方
木瀬親方が弟子の暴力問題の「2階級降格」で理事選への出馬が絶望的に 出羽海一門は候補者調整遅れていたが、元大関・栃東の玉ノ井親方が理事の有力候補に
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン