スポーツ

《独占インタビュー》「台湾でプレーすることも考えました」DeNA筒香嘉智が古巣復帰を決めた“たった1つの衝動” 「辛い時期のほうが長かった」米国での5年間 「激痩せ」疑惑の真相も

独占インタビューで心境を明かした筒香。激痩せ騒動についてこう口にするーー(撮影/藤岡雅樹)

独占インタビューで心境を明かした筒香。激痩せ騒動についてこう口にするーー(撮影/藤岡雅樹)

 26年ぶりの日本一に輝いたDeNA。今年4月、球団に電撃復帰した筒香嘉智(33)の激動のシーズンが終わった。インタビュー後編ではファンの存在が復帰の後押しになったこと、“激痩せ”報道の真相、そして、菊池雄星、今永昇太ら日本人メジャーリーガーに抱く思いを語ってくれた。【前後編の後編。前編に続く

 * * *
 幼少期から憧れていたメジャーリーグに挑戦したのは、2019年オフ。レイズと2年総額1200万ドルの契約を結んだが、期待された結果からは遠かった。契約2年目の2021年5月にドジャースに金銭トレードで移籍したが、右ふくらはぎのケガにも泣かされ打率は1割台に低迷。わずか3か月でシーズン2回目の移籍となった。

 パイレーツでは本来の打撃を取り戻し、43試合の出場で打率.268、8本塁打、25打点をマーク。翌2022年は主軸として期待されたが、春先から腰痛に苦しめられた。痛み止めの薬を服用して試合に出続けたが、つかみかけた打撃の感覚を失ったままなかなか取り戻せない。

 同年8月に自由契約で退団すると、その後はメジャー球団傘下3A、独立リーグでプレーを続けた。メジャー昇格が叶わないまま年月が過ぎていく。この間にセパの複数球団から獲得オファーが舞い込んできたが、すべて断ってきた。

「日本に帰る選択肢がイメージできなかったんです。メキシコ、台湾など他の国でのプレーは考えたことがありました」(筒香。以下同)

 メキシカンリーグはメジャーに挑戦する環境として理解ができるが、台湾プロ野球は驚きだった。その理由を聞くと、「周りにどう思われるかあまり気にしないので」と笑った上で続けた。

「野球のレベルより、モチベーションが突き動かされるかどうかが判断材料でした。でも考えれば考えるほど、やっぱりメジャーの舞台でもう一度プレーしたいっていう思いが最後の最後まで消えませんでした。あの舞台で活躍するのは子供の時からの夢でしたし、米国にこだわるという感覚よりは、純粋にあの場所でプレーしたいなって。その熱量はずっと変わらなかったですね」

 まったく頭になかった日本球界への復帰。だが、今年4月にDeNAから「戻ってきてほしい」とオファーを受けて心が揺さぶられた。

「日本でプレーするモチベーションってなんだろうって考えた時に、ベイスターズを優勝させたいって感情が自然に出てきたんです。米国に来てもDeNAの結果は常に気にしていました。お世話になっていた球団で、一緒にプレーした仲間もたくさんいましたしね。純粋にたくさんのファンに応援してもらえる環境で、試合に出たいという思いもありました」

 筒香は米国・マイナーリーグの観客が少ない閑散とした球場でプレーしていたため、ファンのありがたみを肌身で感じている。DeNAが親会社になる前の2009年、入団当時のチームは低迷期だった。本拠地・横浜スタジアムの観客が1万人を割ることが珍しくなく、ガラガラのスタンドが日常の風景だった。DeNAが親会社になり、チームの歴史が変わる。初代の中畑清元監督がチーム改革に着手。アレックス・ラミレス前監督が優勝争いできるチームに成長させた。観客の熱量も15年前とまったく違う。近年は3万人以上の大観衆が毎試合詰めかけ、チケットは入手困難だ。

「クライマックスシリーズ、日本シリーズでも大声援で僕たちの背中を押してくれて。応援の力は凄いなと改めて感じました。一軍に上がった試合で応援歌が流れた時も鳥肌が立ちました。最近ファンになってくれた方もありがたいですし、昔から応援してくれるファンの方たちにも特別な思いがあります。応援される環境が当たり前ではないですし、何とか期待に応えたいと。もうその思いだけでした」

関連キーワード

関連記事

トピックス

(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト