剛力彩芽(ごうりき・あやめ)/1992年 8月27日生まれ、神奈川県出身

剛力彩芽(ごうりき・あやめ)/1992年 8月27日生まれ、神奈川県出身

ドロップキックの師匠がいた

──『極悪女王』ではリアルなプロレスシーンも話題になりました。特に剛力さんはドロップキックの完成度が高いと評判でした。どのような練習を積んだのでしょうか。美しいドロップキックのコツってあるんですか?

 プロレス指導をしてくれたマーベラス所属のMariaさんが、ドロップキックがすっごく上手なんですよ。助走なしで飛んでいるんです。「なんできれいにドロップキックできるんだろう」と、Mariaさんをずっと観察していました。「いくぞ!」という気合いも大事なんですけど(笑)、跳んだ後に、脚を曲げて体をぐっと縮めるのがポイントかな。空中で脚が曲がりきらないと、お尻が下がった状態になって脚から落ちてしまう。私は人の真似をするのがすごく好きで、自分が想像できるとそこに近づいていける。あとはひたすら基礎練習。できるようになるまでちょっとずつ、ですね。

 増量すると自分の体を重く感じるんですけど、トレーニングを続けていくと、体がふっと軽くなる瞬間があるんですよ。ちゃんと自分の重さに筋肉がついてくるというか。そういう時に体がすごくよく動きました。「今日からすごい軽いぞ!」みたいな(笑)。体重の増え方は、3キロずつくらいでした。3キロ増えて、いっかい止まって、「3キロの壁」が毎回あるんです。そういうときに、今までできなかったことが急にできたりするんです。「体が慣れる」とか「体になじむ」って大事なんですよね。

──舞台『No.9 ─不滅の旋律─』(2024年12月21日開幕)は、4年ぶりの再演です。この4年間で『極悪女王』という大きな仕事を経験して、舞台での演技に良い影響を与えられましたか?

 体の使い方が変わったのかな。4年前は線がすごく細かったので、演出家の白井晃さんに「脚を広げて仁王立ちして」と何度も言われていたんですよ。脚を閉じると細く見えちゃうから。今は私も意識して芝居しているので言われなくなったのかもしれないですけど、昔より外見的な存在感は増している気がしています。

 あと、『極悪女王』では試合のシーンが多くて、「安全第一」を意識して常に俯瞰で周囲を見るようにしていたので、舞台でも「お客様からどんなふうに見えてるのかな」と感じられるようになりました。「どこか冷静な自分がいる」というか。

──同じ作品を再演するのは、新しい作品を演じるよりも「さらに良くしなければいけない」というプレッシャーを感じたりしませんか?

 たしかに難しいと思いますよ。特に稲垣吾郎さんが演じる主人公のベートーヴェンは史実としてキャラクターが確立していて、「今回はこういう性格にしよう」というわけにはいかないですからね。ただ、私が演じるマリア(ベートーヴェンの秘書)はオリジナルキャラクターなので、前回から自由に作り変えることはできます。見てくださるお客様が違ったり、この4年間でいろんな経験をした方々が多いと思うので、そういうところも意識しながらやっています。私自身、何度稽古していても飽きずに楽しいし、「いい作品だなぁ」といつも感じているので、お客様もきっと伝わるかなと思います。

後編につづく

【プロフィール】
剛力彩芽(ごうりき・あやめ)/1992年 8月27日生まれ、神奈川県出身。身長164cm。2008年からモデルとして活動開始、様々な映像作品に出演、活躍する。1980年代の女子プロレス界を描いたNetflix シリーズ『極悪女王』(2024年9月配信)ではライオネス飛鳥役を演じ、高く評価された。 公式Instagram(@ayame_ goriki_official)。4年ぶりの再演となる舞台『No.9 ─不滅の旋律─』の東京公演が2024年12月31日まで東京国際フォーラムで上演中。2025年、福岡、大阪、静岡の公演詳細は公式HP(https://www. no9-stage.com/)まで

撮影/丸谷嘉長 スタイリスト/岩田麻希 ヘア&メイク/越智めぐみ

※週刊ポスト2025年1月3・10日号

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