国際情報

《アメリカ大統領選が10倍面白くなる》大谷翔平は「リベラルの星」でアイスホッケーは「白人金持ちの娯楽」 “ステータス”で好きなスポーツが違う「国民性」はなぜ生まれた?

小川寛大氏の同連載は「ビックコミックオリジナル」で連載中

小川寛大氏の同連載は「ビッグコミックオリジナル」で連載中

 日本中を沸かせたドジャース・大谷翔平の活躍。大リーグは伝統的なアメリカの国技であることに論をまたないが、現地では「真の多様性が足りない」といった批判が起きている。そこにはアメリカのプロスポーツが“社会階層”で分断されてきた“歴史”が大きく影響している。いまさら聞けない常識から、知っていれば“通ぶれる”ネタなどをわかりやすく解説する『ビッグコミックオリジナル』で好評連載中のジャーナリスト小川寛大氏による『アメリカ大統領選を10倍面白く読む!』を公開する。

* * *
 2024年の日本人を最も沸かせたニュースの一つに、アメリカ大リーグにおける大谷翔平の活躍があったと思う。大谷の所属するドジャーズは、今年のワールド・シリーズを制覇。大谷はナショナル・リーグのMVPにも選ばれ、まさに「世界のオオタニ」たる存在となった。

 では、大谷の成績が実際にどれくらいすごいものなのか、実際の数字で見てみよう。今年のナ・リーグにおける打者の打率成績の三傑は、上からルイス・アラエス(パドレス)、大谷、マルセル・オズナ(ブレーブス)。本塁打数ではトップが大谷で、以下オズナ、カイル・シュワバー(フィリーズ)。打点ではこれも大谷が1位で、ウィリー・アダメズ(ブリュワーズ)、マニー・マチャド(パドレス)と続く。

 ところで、実は以上に挙げた「今年の大リーグのすごいバッターたち」のなかで、アメリカ出身はシュワバーとマチャドしかいない。言うまでもなく大谷は日本人で、アラエスはベネズエラ、オズナとアダメズはドミニカの出身である。

 大谷がそうであるように、今や世界の野球選手たちはその母国で上り詰めると、さらなる高みを目指して大リーグへとやってくる。大リーグには日本のプロ野球のような外国人枠もなく、その頂上決戦が「ワールド・シリーズ」と呼ばれるのは、伊達でないのだ。そういう意味ではまさに、大リーグは外国人選手抜きには成り立たないものだといっていい。

 しかし一方で、大リーグ選手全体のなかでの外国人の割合は、今年で27.8%だったといい、また白人選手は4割ほどにもなるのだという。上位選手たちの顔ぶれに比し、全体としての大リーグはまだまだ“多様性”が足りないのではないかとの批判は、アメリカにおいて常に持ち上がっているものなのだという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
《名誉毀損で異例逮捕》NHK党・立花孝志容疑者は「NHKをぶっ壊す」で政界進出後、なぜ“デマゴーグ”となったのか?臨床心理士が分析
NEWSポストセブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
昨年8月末にフジテレビを退社した元アナウンサーの渡邊渚さん
「今この瞬間を感じる」──PTSDを乗り越えた渡邊渚さんが綴る「ひたむきに刺し子」の効果
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
「秋らしいブラウンコーデも素敵」皇后雅子さま、ワントーンコーデに取り入れたのは30年以上ご愛用の「フェラガモのバッグ」
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
訃報が報じられた日テレの菅谷大介アナウンサー
「同僚の体調を気にしてシフトを組んでいた…」日テレ・菅谷大介アナが急死、直近で会話した局関係者が語る仲間への優しい”気遣い”
NEWSポストセブン
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン
近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン