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“常にいまがある76 歳とは思えぬ感性”の高田文夫氏が今おすすめする注目芸人 玉川太福、トム・ブラウン、バッテリィズ

高田氏が「いま」注目の玉川太福、トム・ブラウン、バッテリィズ(イラスト/佐野文二郎)

高田氏が「いま」注目の玉川太福、トム・ブラウン、バッテリィズ(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は「令和のオールドメディア王」を自負する高田氏が追う「いま」注目の玉川太福、トム・ブラウン、バッテリィズについて綴る。

 * * *
 てやんでいべらぼうめ。「江戸のメディア王」が蔦屋重三郎なら「令和のオールドメディア王」と言われてんのがこのあちき。情報も娯楽もすべて「テレビラジオ雑誌」である。この原稿もオナ○ーもすべていまだに手がき(はなはだ迷惑ではあるが)。

 今年来た年賀状の中にもいいのがあって「脳活とか認知症とか墓石ばかりのポストの記事の中にあってタカダの笑刊は常にいまがあって76とは思えぬ感性、行動力に感服しております」なんて70代の仲間から数枚。私の連載を楽しみにしている人がいるだけで生きる張りあい。

 さぁそこで今おすすめの3本を。講談界からは神田伯山が出て、浪曲界では女流の玉川奈々福ががんばってきたがここへ来て弟分の玉川太福が小ブレイク。なんと新宿末廣亭の1月下席(1月21日から30日の10日間)で初めての主任(トリ)なのだ。これは快挙という他ない。落語が中心の東京の寄席にあって浪曲という芸がトリをとるのは60年ぶり。どれだけ期待されているかが分かる抜擢。古典は勿論、妙なおかしみを持った新作やら「男はつらいよ」まで浪曲にしてしまう和風ミュージカル。その創作力はただならぬものが。

 暮れのM-1では我関せず独自の芸風をつらぬき通した無駄な長髪とツルッパゲでペンギンセーターの「トム・ブラウン」がひたすら底知れぬおかしさ。札幌では同じ高校の柔道部員同士だったらしい(長髪の布川が1年先輩、怪力で強そうなのがみちお。実際にケンカになると見た目と逆で布川の方が強いらしい)。

 M-1は令和ロマンのV2でトム・ブラウンは10組中6位。元日の深夜、TBSはいつもは山里亮太が水曜に喋っているのだが、体調をこわしたとかで急拠トム・ブラウンが生で喋っているのが異様におかしかった。ひたすらみちおが「俺達何でM-1勝てなかったんだろう。どう考えても優勝だろ」「そんな訳ないだろ! ダメーーッ」に爆笑。このトム・ブラウンがなんとあの格式ある明治座でネタを披露。2月1日「立川志らく芸歴40周年の会」です。二階堂ふみも私も出ます。

 もうひと組おすすめはM-1、2位「バッテリィズ」。話を進める寺家(じけ)、この名が凄い。天然、本物。バカとかアホではなくピュアの頂点エース。8日早速ニッポン放送「オールナイトニッポン」を任された。エース「富士山って富山にあるんやろ」「違う」「字似てるやん」。大阪は西成出身。久々の大型登場である。

※週刊ポスト2025年1月31日号

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