著名人が宣伝していると、大丈夫という気になってしまう(写真提供/イメージマート)
“うちにもいました”ではシャレにならない
複数のテレビ局とラジオ局では、今回「違法」とされている海外のオンラインカジノサイトの「無料版」の広告が出稿されていた(実際に金を賭けたり、購入したコインでゲームをしたのちに現金かする仕組みがある有料版の利用は、日本国内では違法)。また、オンライン広告には、日本人の多くが知っている有名サッカー選手などが起用されていたことで、少なくないユーザーが「合法なんだ」「安全だ」という誤った判断に至った可能性も指摘された。
「違法な”オンカジ”を奨励したマスコミという立場から、関与した方々を追及できない、というのがまず一点。もう一点は、マスコミ内部にも、オンカジに関与した人間がいるんじゃないか、という懸念です。オンカジに関与した芸人やスポーツ選手を叩きまくって”うちにもいました”ではシャレにならない」(民放報道デスク)
筆者が調べたところ、民放キー局や準キー局などで、特に社員に対する「調査」は実際に進められていて、すでに完了した社もあった。現時点で、大手マスコミから「社員がオンカジに関与していた」という発表はないが、実は一部の社員や、社員ではない出入りの「スタッフ」には、かなり厳密な調査も行われたようだ。
関西地方の準キー局に勤める男性社員は、海外に特派員やカメラマンとして赴任した社員やスタッフに焦点を当てられた調査だったと振り返る。
「それほど仰々しい調査ではありませんでしたが、私を含めた、海外赴任経験のある社員は細かく調査されました。確かに海外赴任中、現地で合法なカジノに遊びにいくことは何度かあった。海外でのカジノ経験者は、念の為しっかり調べておく、とも言われました。もちろん私はシロなので堂々としていましたが、社員だけでなくスタッフさんまで調べるとなると、調査量は膨大。しかも、社内に常駐していないスタッフのことまでしっかり把握できるわけがないんですが」(関西準キー局に勤める男性)
何かあればすぐに大メディアは袋だたきに遭いネットで炎上、対処を誤れば広告主すら一斉に去ってしまう時代だ。フジテレビに起きている最近の騒動を見た各社、各局の幹部は、自社がフジテレビの二の舞にならないよう、例えば、金融関係者が相次いで摘発されている「インサイダー問題」などについても、鋭く目を光らせているという。
