国内
旭川女子高生殺害事件公判

《旭川女子高生殺害事件公判》小西優花被告“舎弟の意味がわからなかった”と説明するも、内田梨瑚被告との関係は「ヤクザと舎弟」そのもの 断罪された「残虐で身勝手」な犯行

殺人などの罪に問われた内田梨瑚被告、小西優花被告(TikTok/Instagramより)

殺人などの罪に問われた内田梨瑚被告(左)と小西優花被告(TikTok/Instagramより)

 もともとは兄弟のなかで年少の者に対して使われていた「舎弟」という言葉は、今では主にヤクザ社会で、目下の者に対して使われている。ヤクザに類した反社会的だったり、やんちゃを気取りたい若者グループで使われることもあるようだが、若い女性が使うことはほぼない。ところが、旭川女子高生殺害事件では、主犯格はもう一人の被告人を「舎弟」と呼んでいた。臨床心理士の岡村美奈さんが、公判では対照的な様子を見せた2人の被告人について分析した。

 * * *
 2024年4月、北海道旭川市で17歳の女子高生に暴行し、橋の欄干に座らせて川に転落させて殺害した内田梨瑚被告と小西優花被告。当時19歳の特定少年として殺人の罪に問われていた小西被告に3月7日、懲役23年の実刑判決が言い渡された。裁判員裁判でどのような量刑が出されるか注目されていたが、あまりにも凄惨な事件を起こした被告には、当然の判決だろう。

 内田被告と共謀し、女子高生を殺害した罪に問われた小西被告は、公判の最終陳述で「罪が軽くなると願って話したわけではない。覚悟はできている」と涙ながらに述べている。初公判から起訴内容を「間違いないです」と認め、「後悔や反省も言い訳でしかない」という小西被告は、「2人で背中などを押した」と供述。だが内田被告は「橋に置いてきただけ」と殺害に関わっていないと供述。小西被告は内田被告に「本当のことを話してほしい。それが被害者にできる最低限のこと」と述べたという。

 その内田被告は3月3日の公判で、検察側の証人として出廷するもまさかの証言拒否。証人尋問に先立ち、良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べないことを誓う宣誓に、「しないです」と返答。宣誓しない理由を問う裁判長に「同じ内容の裁判を控えているので、ここでは話したくありません」と宣誓も証言も拒否。裁判長に宣誓は義務で、理由なく拒否すると科料や刑罰が科される恐れがあると説明されても応じず、わずか5分で退廷を命じられた。

 NEWSポストセブンに掲載されている事件の記事によると、内田被告は自分を強く見せたい性格で、基本的にイキリ体質。先輩にはペコペコするが、年下にはオラオラいくタイプだという。小西被告を妹分でも子分でもなく、舎弟としたのは、女ヤクザを演じてそれに酔い、ヤクザや反社会的勢力のような強さとインパクトを周りにも与え、カッコをつけたかったからだろう。裁判員や傍聴人だけなく、自分が命令する立場にいた舎弟を前に、自己弁護するような姿は見せたくなかったのかもしれない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

オーナーが出入りしていた店に貼られていた紙
「高級外車に乗り込んで…」岐阜・池田温泉旅館から“夜逃げ”したオーナーが直撃取材に見せた「怒りの表情」 委託していた町の職員も「現在もまだ旅館に入れない」と嘆き
NEWSポストセブン
記者の顔以外の一面を明かしてくれた川中さん
「夢はジャーナリストか政治家」政治スクープをすっぱ抜いた中学生記者・川中だいじさん(14)が出馬した生徒会長選挙で戦った「ものすごいライバル候補」と「人心を掴んだパフォーマンス」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博内の『景福宮』での重大な疑惑が発覚した(時事通信)
《万博店舗スタッフが告発》人気韓国料理店で“すっぱい匂いのチャプチェ”提供か…料理長が書いた「始末書」が存在、運営会社は「食品衛生上の問題はなかった」「異常な臭いはなかった」と反論
NEWSポストセブン
63歳で初めて人生を振り返った俳優・小沢仁志さん
《63歳で初めて人生を振り返った俳優・小沢仁志》不良役演じた『ビー・バップ』『スクール☆ウォーズ』で激変した人生「自分の限界を超える快感を得ちまった」
NEWSポストセブン
釜本邦茂さん
サッカー界のレジェンド・釜本邦茂さんが「免許返納」密着取材で語っていた「家族に喜んでもらえることの嬉しさ」「周りの助けの大きさ」
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがニューシングル『Letter』をリリース(写真・左/AFLO、写真・右/Xより)
羽生結弦の元妻のバイオリニスト・末延麻裕子さん、“因縁の8月”にニューシングル発売 羽生にとっては“消せない影”となるのか 
女性セブン
中学生記者・川中だいじさん(14)が明かした”特ダネ”の舞台裏とは──
「期末テストそっちのけ」中学生記者・川中だいじさん(14)が抜いた特ダネスクープの“思わぬ端緒”「斎藤知事ボランティアに“選挙慣れ”した女性が…」《突撃著書サイン時間稼ぎ作戦で玉木氏を直撃取材》
NEWSポストセブン
釜本邦茂さん
メキシコ五輪得点王・釜本邦茂さんが語っていた“点取り虫”になる原点 “勝負に勝たなければならない”の信念は「三国志」に学んでいたと語る
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴行動画に批判殺到の花井組》社長らが書類送検で会社の今後は…元従業員は「解体に向けて準備中」、会長は「解体とは決まっていない。結果が出てくれば、いずれわかる」と回答
NEWSポストセブン
雅子さまのご静養に同行する愛子さま(2025年8月、静岡県下田市。撮影/JMPA) 
愛子さま、雅子さまのご静養にすべて同行する“熱情” そばに寄り添う“幼なじみ”は大手造船会社のご子息、両陛下からも全幅の信頼 
女性セブン
猫愛に溢れるマルタでは、動物保護団体や市民による抗議活動が続いているという(左・時事通信フォト)
《深夜に猫地面にたたきつける動画》マルタで“猫殺し”容疑で逮捕の慶應卒エリート・オカムラサトシ容疑者の凶行と、マルタ国民の怒号「恥を知れ」「国外に追放せよ」
NEWSポストセブン
大神いずみアナ(右)と馬場典子アナが“長嶋茂雄さんの思い出”を語り合う
大神いずみアナ&馬場典子アナが語る“長嶋茂雄さんの思い出”「こちらが答えて欲しそうなことを察して話してくれる」超一流の受け答え
週刊ポスト