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プロモデラー・金子辰也氏が語る“大人のプラモデル作り” 設計図通りに作らずオリジナリティのある作品を目指すことで「プラモに表情が出てくる」

作品名『フラミンゴ』

作品名『フラミンゴ』(撮影/奈良岡忠)

 1958年、国産初のプラモデルとして「原子力潜水艦ノーチラス号」が発売。以降、多くの少年たちが胸を躍らせ、次々に発売される新作の戦艦や戦闘機、戦車などを設計図と睨めっこしながら作り上げていった。

 そして、最後の塗装を終えたとき、少年は高揚感に包まれ、同時に達成感も満たされ、自ら生み出した“戦利品”を展示用に設えた棚に壊さぬよう、そっと置く──。

「実は、プラモデル作りの本当の楽しさ、面白さ、やりがいや満足感は、その先にあるんです」

 そう語るのは、プロモデラーの金子辰也氏だ。

「もちろん、プラモは封入されている設計図通りに作ってナンボだと思います。設計図通りに作り続ければ、ちゃんと自分が乗りたかった戦闘機を具現化できるのですが、大人になってからのプラモ作りの楽しみのひとつは、スキルを磨いて戦闘機の翼の部分に剥げた塗装やオイル汚れなどを施し、よりオリジナリティのある作品を目指すことでしょう」

 さらに金子氏は「プラモに“表情”を落とし込むことで新たな一面を見せることができる」と続ける。

「例えば、新しく製造された戦闘機は傷がありません。でも、何度か飛行した機体には傷もあるだろうし、パイロットが使い込んだ跡もある。そういった細部を表現することで、プラモに“表情”が出てくるのです」

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