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米下院議員らが中国人留学生に対する学生ビザ取得を制限する法案を準備 軍事情報や先端技術に対するスパイ活動に警戒感

アメリカでは中国人留学生への警戒が強まっているという

アメリカでは中国人留学生への警戒が強まっているという

 米テネシー州選出の共和党のライリー・ムーア下院議員はこのほど、中国人に対して米国での学生ビザ取得を制限する法案を提案したことが明らかになった。米国には毎年30万人の中国人が学生ビザを取得して留学しているが、一部の学生は中国共産党のスパイとして、米軍の施設周辺で情報収集活動をしたり、米国の先端技術の窃取を図るなどの米国の安全保障を脅かす行為をしているためだという。米誌「ニューズウィーク」などが報じた。

 この法案は「学術界における知的保護を擁護することにより中国共産党の詮索を阻止する2025年法」(Stop CCP VISAs Act)で、中国人が米国の学生ビザを取得することを禁止するよう、現在の移民国籍法を改正しようとするもの。この法案は、他の5人の下院議員が法案の共同提案者となっており、近く開催される米下院外交委員会で審議される予定だ。

 ムーア下院議員らの法案提出の趣旨によれば「米政府は毎年、約30万人の中国人に学生ビザを許可しているが、これは中国共産党に私たちの軍隊をスパイし、知的財産を盗み、国家安全保障を脅かすことをするよう招き入れているようなものだ」と説明している。

 ムーア氏が指摘するように、米連邦捜査局(FBI)は昨年10月、ミシガン大学に留学していた中国人留学生5人がミシガン州の軍事施設付近で、軍事車両の写真を撮影したなどとして提訴している。また、昨年5月には、ミネソタ大学に留学していた中国人留学生がバージニア州ニューポートニューズの海軍造船所の上空にカメラ付きドローンを飛ばして撮影したとして、有罪判決を受けている。

 法案の共同提案者の1人、アディソン・マクダウェル下院議員(共和党・ノースカロライナ州選出)も「中国がこれらのビザを利用して、わが国の軍隊をスパイし、アメリカの研究を盗み、わが国の学校に潜入していることは明らかだ。法案の目的は国家安全保障上の脅威の抜け穴を塞ぎ、米国を第一に考えていることだ」などと指摘している。

 ブルームバーグ通信によると、米国では2023年11月から2024年5月までの間で、ハーバード、イエール、ジョンズ・ホプキンスといった米国の名門大学に有効なビザを保持している少なくとも20人の中国人留学生が米国内の空港で入国を拒否され、中国に送り返されるなど、中国人留学生への警戒が強まっているという。

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