スポーツ

元鶴竜、“先達の親方衆の扱いが丁寧”と協会内の評価が急上昇、一方の元白鵬は部屋閉鎖…モンゴル出身横綱、引退後の逆転劇

現役時代とは大違いの状況に(左から元鶴竜、元白鵬/時事通信フォト)

現役時代とは大違いの状況に(左から元鶴竜、元白鵬/時事通信フォト)

 弟子の暴力行為などにより元横綱・白鵬の宮城野部屋が閉鎖となり、伊勢ヶ濱部屋に吸収されて1年が過ぎた。

「7月場所前に伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)が65歳の定年を迎えるため、その前に宮城野部屋を復活させる話も出ていたが、見送りになったようだ。協会執行部は“あと1年は閉鎖を続ける”という方針だとされています」(若手親方)

 対照的に協会内で評価急上昇なのが、同じモンゴル出身の後輩にあたる元横綱・鶴竜の音羽山親方だという。相撲ジャーナリストが言う。

「現役時代は白鵬の優勝45回に対して鶴竜は6回だが、親方としては鶴竜が上。先達の親方衆の扱いが丁寧なことが大きい。白鵬が部屋継承の際に先代の師匠(元前頭・竹葉山)を再雇用の期限まで4年以上残して廃業に追い込んだ一方、鶴竜は独立前の師匠である陸奥親方(元大関・霧島)を再雇用後も部屋付き親方として面倒を見ている」

 そうした行動の積み重ねが、親方としての出世を大きく分けるという。

「かつて同じ九重部屋の横綱だった千代の富士と北勝海(現・八角理事長)もそうだった。千代の富士は師匠の元横綱・北の富士をぞんざいに扱い、北勝海は部屋の土地建物を購入するなど様々な面倒を見た。結果、現役時代は千代の富士の優勝31回に対し北勝海は同8回と見劣りしたのに、北の富士を後ろ盾に北勝海が一門の理事、そして理事長に上り詰めた。鶴竜も時津風一門の重鎮である陸奥親方を後ろ盾に理事への道が開けた」(同前)

 時津風一門は2人の理事を輩出するが、現理事のひとりが定年間近で来年2月の理事選には出ない。その後釜には鶴竜が最有力候補だという。

「一方の白鵬の伊勢ヶ濱一門は理事を1人しか出せない弱小派閥のうえ現理事の浅香山親方(元大関・魁皇)が52歳と若い。初の外国出身理事には鶴竜のほうが近い」(同前)

 土俵を去ってからの驚きの“逆転劇”となるのか。

※週刊ポスト2025年4月18・25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

山本由伸の自宅で強盗未遂事件があったと報じられた(左は共同、右はbackgrid/アフロ)
「31億円豪邸の窓ガラスが破壊され…」山本由伸の自宅で強盗未遂事件、昨年11月には付近で「彼女とツーショット報道」も
NEWSポストセブン
佳子さまも被害にあった「ディープフェイク」問題(時事通信フォト)
《佳子さまも標的にされる“ディープフェイク動画”》各国では対策が強化されるなか、日本国内では直接取り締まる法律がない現状 宮内庁に問う「どう対応するのか」
週刊ポスト
『あんぱん』の「朝田三姉妹」を起用するCMが激増
今田美桜、河合優実、原菜乃華『あんぱん』朝田三姉妹が席巻中 CM界の優等生として活躍する朝ドラヒロインたち
女性セブン
東日本大震災発生時、ブルーインパルスは松島基地を離れていた(時事通信フォト)
《津波警報で避難は?》3.11で難を逃れた「ブルーインパルス」現在の居場所は…本日の飛行訓練はキャンセル
NEWSポストセブン
別府港が津波に見舞われる中、尾畠さんは待機中だ
「要請あれば、すぐ行く」別府湾で清掃活動を続ける“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(85)に直撃 《日本列島に津波警報が発令》
NEWSポストセブン
宮城県気仙沼市では注意報が警報に変わり、津波予想も1メートルから3メートルに
「街中にサイレンが鳴り響き…」宮城・気仙沼市に旅行中の男性が語る“緊迫の朝” 「一時はネットもつながらず焦った」《日本全国で津波警報》
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月16日、撮影/横田紋子)
《モンゴルご訪問で魅了》皇后雅子さま、「民族衣装風のジャケット」や「”桜色”のセットアップ」など装いに見る“細やかなお気遣い”
夜の街での男女トラブルは社会問題でもある(写真はイメージ/Getty)
「整形費用返済のために…」現役アイドルがメンズエステ店で働くことになったきっかけ、“ストーカー化した”客から逃れるために契約した「格安スマホ」
NEWSポストセブン
大谷家の別荘が問題に直面している(写真/AFLO)
大谷翔平も購入したハワイ豪華リゾートビジネスが問題に直面 14区画中8区画が売れ残り、建設予定地はまるで荒野のような状態 トランプ大統領の影響も
女性セブン
技能実習生のダム・ズイ・カン容疑者と亡くなった椋本舞子さん(共同通信/景徳鎮陶瓷大学ホームページより)
《佐賀・強盗殺人》ベトナム人の男が「オカネ出せ。財布ミセロ」自宅に押し入りナイフで切りつけ…日本語講師・椋本舞子さんを襲った“強い殺意” 生前は「英語も中国語も堪能」「海外の友達がいっぱい」
NEWSポストセブン
休場が続く横綱・豊昇龍
「3場所で金星8個配給…」それでも横綱・豊昇龍に相撲協会が引退勧告できない複雑な事情 やくみつる氏は「“大豊時代”は、ちょっとイメージしづらい」
週刊ポスト
NYの高層ビルで銃撃事件が発生した(右・時事通信フォト)
《5人死亡のNYビル乱射》小室圭さん勤務先からわずか0.6マイル…タムラ容疑者が大型ライフルを手にビルに侵入「日系駐在員も多く勤務するエリア」
NEWSポストセブン