2月14日、都内米穀店の棚。備蓄米放出後の現在も、あまり様子は変わっていないと消費者は言う(AFP=時事)

2月14日、都内米穀店の棚。備蓄米放出後の現在も、あまり様子は変わっていないと消費者は言う(AFP=時事)

 農水省によれば、およそ全国1,000店のスーパーにおける平均価格は5キロで4217円(4月21日発表)。筆者の東京に限らず首都圏の多くのスーパーではこれより高値がついているが、地方のスーパーと平均すればこの調査はおおよそ間違いないように思う。

 かくして15週連続の値上がり、それも備蓄米を放出してこれである。

 江藤農水大臣は先の会見で理由として卸売業者の仕入れ値の高さが原因とした。しかし1ヶ月前(3月14日)の会見では「たくさん買っちゃだめよ」など義務化はできないことを前提として、

「流通を円滑化する上で重要なファクターである、キーを握っているのは実は最終消費者です。最終消費者の方々がですね、必要な分だけ買っていただく」

と見解を述べた。ここでも、必要な分だけ買わない「最終消費者」だそうだ。

「安いのが出たからこの機会に、たとえば今までの3倍も4倍も買っておこうとか、何かあの、私昨日、参議院の農産、農林水産委員会で言われたんですが7月に大災害が起こるって噂が流れてるんですか? ネット上で。知ってる? ね? なんの根拠があるのか知りませんけど、それによってコメを買い占める人が出るんじゃないか、っていう質問を昨日受けましたが、まあ、あの、これだけSNSがですね、あの、台頭する時代になるといろんなことがあるかもしれませんが」

 これはある漫画の「大災難が2025年7月に来る」という予言がSNSの一部を中心に広まっていることを指しているが、質問も質問なら大臣も大臣である。その後の「消費者の方々も少し考えて購入していただきたい」にこんな仮定の話を持ち出されても。

「ただですね、消費者の方々がですね、安定的に合理的な価格でお米をですね、手に取るためにはですね、消費者の方々も少し考えて購入をしていただきたい」

 とにかくこれ、少し長く引いたがその辺の飲み屋で偉そうにうんちくを傾けているのではなく農水大臣の会見なのだ。

 この3月の会見も1ヶ月以上を経て1885回視聴(4月23日23時40分時点)とまったく可哀想なので農水省公式YouTube「maffchannel」を観てあげて欲しいのだが、まるで消費者が買い占めて、それこそオイルショックのトイレットペーパー買い占めを例に挙げて消費者がコメを買い占めていることも原因のように語るのはどうかと思う。

関連キーワード

関連記事

トピックス

常盤貴子が明かす「芝居」と「暮らし」の幸福
【常盤貴子インタビュー】50代のテーマは「即興力」 心の声に正直に、お芝居でも日々の暮らしでも軽やかに生きる自分でありたい
週刊ポスト
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
ホストにハマったAさんが告白する“1000万円シャンパンタワーの悪夢”「ホテルの部屋で殴る蹴るに加え、首を絞められ、髪の毛を抜かれ…」《深刻化する売掛トラブル》
NEWSポストセブン
西武・源田壮亮の不倫騒動から5カ月(左・時事通信フォト、右・Instagramより)
《西武源田と銀座クラブ女性の不倫報道から5か月》SNSが完全停止、妻・衛藤美彩が下していた決断…ベルーナドームで起きていた異変
NEWSポストセブン
大谷夫妻の第1子誕生から1ヶ月(AFP=時事)
《母乳かミルクか論争》大谷翔平の妻・真美子さんが直面か 日本よりも過敏なロスの根強い“母乳信仰”
NEWSポストセブン
麻薬の「運び屋」として利用されていたネコが保護された(時事通信フォト)
“麻薬を運ぶネコ” 刑務所の塀の上で保護 胴体にマリファナとコカインが巻きつけられ…囚人に“差し入れ”するところだった《中米・コスタリカ》
NEWSポストセブン
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
〈ちゅーしたら魔法かかるかも?〉被害女性が告白する有名ホストクラブの“恐ろしい色恋営業”【行政処分の対象となった悪質ホストの手練手管とは】
NEWSポストセブン
公務のたびにファッションが注目される雅子さま(撮影/JMPA)
《ジャケットから着物まで》皇后雅子さまのすべての装いに“雅子さまらしさ“がある理由  「ブルー」や小物使い、パンツルックに見るファッションセンス
NEWSポストセブン
小室圭さんと眞子さん(2025年5月)
《英才教育》小室眞子さんと小室圭さん、コネチカット州背景に“2人だけの力で”子どもを育てる覚悟
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
【ステーキの焼き方に一家言】産後の小室眞子さんを支えるパパ・小室圭さんの“自慢の手料理”とは 「20年以上お弁当手作り」母・佳代さんの“食育”の影響
NEWSポストセブン
不正駐輪を取り締まるビジネスが(CPGのHPより)
《不正駐輪車を勝手にロック》罰金請求をするビジネスに弁護士は「法的根拠が不明確」と指摘…運営会社は「適正な基準を元に決定」と主張
NEWSポストセブン
「子供のころの夢はスーパーマンだった」前田投手(時事通信フォト)
《ワンオペ育児と旦那の世話に限界を…》米国残留の前田健太投手、別居中の元女子アナ妻が明かした“日本での新生活”
NEWSポストセブン
眞子さんと佳子さま(時事通信フォト)
《眞子さん出産発表の裏に“里帰りせず”の深い溝》秋篠宮夫妻と眞子さんをつないだ“佳子さんの姉妹愛”
NEWSポストセブン