目玉をモチーフにしたカクテル
眼球入りの瓶を見て「すごいね。」は死体遺棄の肯定
これまでの裁判で、“瑠奈ファースト”な家庭環境が明らかになっていた。瑠奈被告のことを幼い頃から溺愛してきたという両親は、中学時代から引きこもるようになった娘の機嫌を常にうかがい、なんでも言うことを聞くようになったという。その一端は、瑠奈被告が瓶詰めしたAさんの眼球を浩子被告に見せた際の、「すごいね。」という発言にも垣間見える。
検察側は、この「すごいね。」という発言が死体遺棄の“容認”にあたるのではないか、と指摘していた。
「眼球入りの瓶を見た浩子被告による『すごいね。』との発言について、札幌地裁は、瑠奈被告を怒らせないように調子を合わせていたとしても、死体遺棄行為を積極的に肯定する発言であると判断したようです。よって、浩子被告の言動は死体遺棄の“容認”にあたり、死体遺棄ほう助罪は成立するとしました」(同前)
また浩子被告は、瑠奈被告が自宅浴室でAさんの頭部から右眼球を摘出する際、その様子の撮影を依頼され「カメラは運動会以降触っておらず得意でないから、修さんに頼んで」と拒否したあとで、『カメラマンするでしょ』とのLINEを修被告に送信。また、損壊行為が終わったのち、修被告に対して「ちゃんと撮れた?」との確認もしていた。
「札幌地裁は、修被告による死体損壊時の撮影行為が“ほう助”にあたるとしており、それに対してなんら消極的な態度を見せず、撮影を容認したとして、死体損壊ほう助罪も成立するとしました」(同前)
判決言い渡しの最後、裁判長は、証言台の前に立つ浩子被告に対して諭すような言葉を投げかけたという。
「『判決が一区切りしたので最後に……。いますぐにというのは難しいと思いますが、今後、母として正しい接し方をしてあげてください』と。この時、私の席から彼女の表情は見えませんでした」(同前)
“母親としての在り方”を諭された浩子被告は何を思ったのか。歪んだ母娘関係にあった田村家に、一つの決着がついた──。
